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[MOM913]柏U-18FW宮澤弘(3年)_不振脱出、2発でチーム牽引

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.14 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 磐田U-18 1-2 柏U-18 広島一球]

 チームを勝利に導く2ゴールだけでなく、下平隆宏監督が「今日の宮澤は本当に良かったですね。守備の貢献度も高かった」と褒め称えたように攻守両面でエースナンバーである背番号10を背負うFW宮澤弘(3年)が輝きを放った。

 サイドからの切れ味鋭いカットインを武器とし、「シーズンの当初はDF中谷進之介(トップ昇格内定)、MF白井永地(水戸入団内定)と宮澤弘は俺の中の主軸で絶対に代える事はないだろうなと思っていた」(下平監督)とプロ入りを掴んだタレントと並ぶ不動の存在だったが、先月30日に行われたプリンスリーグ関東1部17節の浦和レッズユース戦では「目が死んでいる時期だった。“心ここにあらず”じゃないけど、いまいち集中出来ていなかった」(下平監督)とスタメンから外れてしまった。本人も「メンタルがだいぶ弱い。ミスして監督やチームメイトにイジられてると、すぐにフテくされてしまう」と認めるようにポテンシャルは高いものの、ちょっとした事で自信を失う課題があった。だが、スタメン落ちを機に気持ちを切り替え先週の最終節・八千代高では復活の2ゴール。この試合も勢いを継続し、ゴールでチームを牽引した。

 32分に生まれた1点目はレイソルらしいパス回しからのボールをエリア左で受け、持ち味であるカットインから右足を振り抜いた。「あの角度はよく練習していて、無回転とか色んなパターンを持っていたけどほとんど試合で決まらなかった。でも、ここに来てやっと決めてくれた。練習した事がちゃんと報われて、本人も僕ら指導者も『そういう事だよね』と練習の重要さが再確認出来た」(下平監督)と一撃でリズムに乗ると、37分には「FWの(大島)康樹と会津(雄生)が上手くプレスに行ってくれたから、どこに自分が奪いに行けばいいか分かった」と高い位置で巧みにボールを奪い2点目をゲット。「ゴールが見えたり、視野が広くなった気がする。2週間前まで何をすれば良いか分からなくて、ヤバかったけど最近は調子が良いです」と“不振”はもう過去の話だ。

 次の愛媛ユースに勝てばプレミア昇格が決まる。「あと一試合しかない。勝っても負けても小学校から9年間やってきたレイソルを引退するんで、全力以上を尽くしたい」。3年生が笑顔でレイソルを卒業するためには彼の活躍が欠かせない。

(取材・文 森田将義)
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