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選手権全国4強の四日市中央工、CB舘和希が流経大柏から頭で2発も守備に課題

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[2.23 ジャパンユーススーパーリーグ 流通経済大柏高6-2四日市中央工高 流通経済大柏高G]

 1月の全国高校選手権で4強進出した四日市中央工高(三重)の新チームにとって、現在最大の課題となっているのが守備面の安定感向上だ。前日22日の町田ゼルビアユース戦は6失点。この日も流通経済大柏高に6点を奪われて敗れた。今冬の全国選手権4強チーム、11年度の全国準Vチームはいずれも堅守がチームのベースにあっただけに、樋口士郎監督は「後ろが全く機能していない。(今回の選手権4強のチームは)坂(圭祐)がいてのチームでしたし、その前(11年度全国準Vのチーム)は國吉(祐介、現大阪体育大)がいてのチームでした。(守備を統率するリーダーが不在で)守備の安定感がなければこういうゲームになる。攻撃では森島と小林がいるのであそこで決定的な仕事ができますから。(攻められながらも)相手に恐怖感を与えるようなゲーム展開にならないと」と首を振った。

 前半はボールを取りに行っているものの、選手間での具体的な指示がなく、相手のSBに入ったところで何でも獲りに行ってしまっていた。守備の意図がバラバラ。加えてDFラインが相手の攻撃を警戒しすぎたか、ズルズルと下がってしまい、コンパクトさを保つことができない。流れが悪いまま3失点。また技術の高い流経大柏に左右にボールを動かされて体力を奪われたことで、攻撃面でもミスが出てしまった。

 後半はベンチからのアドバイスで全体的にラインを下げたことで守備が安定し、効率のいいサッカーを展開。MF木下史也(1年)の右CKから「(舘幸希との兄弟)2人とも身体能力が高い」(樋口監督)というCB舘和希(2年)がセットプレーから頭で2ゴールをたたき出し、その後も日本高校選抜のMF森島司とFW小林颯(ともに1年)中心とした攻撃で得点機をつくり出した。それでも守備面やパススピード、ポジショニングの精度の向上など、やらなければならないことはまだまだあるを実感した試合となった。

 国立4強へ進出した高校選手権から森島や小林、GK高田勝至(2年)ら主力6人が残る。だが、同じように全国大会準優勝メンバーの大半を残した2年前に苦しい1年を過ごしていることもあり、チームに緩みはない。樋口監督は「難しいと思います。準優勝した次の年よりも今年の方が危ないと思います。明らかに苦しいと思います。(攻撃陣は)決定的な仕事はできると思います。(その中で)トップに誰が入ってくるか。そして4バックの安定感が課題だと思います」という。

 主将の左SB中田永一(2年)も「自分たちは別に強くない。身体は強くないし、技術のあるヤツはいるんですけど身体的には全員劣っているので、もっとハードワークをして変えていかないといけない」と力を込める。全国での上位進出が簡単ではないことを理解している。ただ、変わることができれば、先輩たちのように取り組み次第で上を狙うチャンスがあると感じていることも確か。「攻撃陣が残ってくれていて昨年よりは点は取れそうな雰囲気がある。DFが変わってくれば、去年よりいい結果を出せると思います」と中田。決して前評判が高くない中で国立4強まで勝ち上がった先輩たちのように、まずは課題に真剣に取り組み、チームを変える。

[写真]後半8分、四日市中央工はCB舘和希が頭で2点目のゴール

(取材・文 吉田太郎)

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