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[プレミアリーグEAST]堅守とディサロの2発!“街クラブの雄”三菱養和SCユースが東京Vユース撃破!

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[4.6 高円宮杯プレミアリーグEAST第1節 三菱養和SCユース 2-0 東京Vユース 三菱養和会巣鴨スポーツセンターG]

 高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯U-18サッカーリーグ2014 プレミアリーグEASTは6日、第1節を行い、昨年7位の三菱養和SCユース(東京)がホームに12年優勝の東京ヴェルディユース(東京)を迎え撃った一戦は、三菱養和がFWディサロ燦シルヴァーノ(3年)の2ゴールによって2-0で勝った。

 前半は三菱養和、後半は東京Vが主導権を握った“東京ダービー”。前半30分過ぎに雷の影響で約30分間中断もした試合は三菱養和が制した。苦しい試合を勝ち切った“街クラブの雄”は試合後に喜びを爆発。CB池田樹雷人主将(3年)が「ここで勝てば波に乗れると思っていたし、勝って『WE ARE TOKYO』歌おうと決めていたので、ヴェルディの前で歌えてよかった」と笑顔で語ったように、勝利の凱歌をホームの空へ響かせた。

 序盤、注目の快足MF相馬勇紀(3年)がクロスバー直撃の右足FKを放った三菱養和は、その後も連係良くボールを動かしながら中盤、前線に空いたスペースを有効に使った攻撃。右サイドで縦への突破力を見せ続けて脅威となった相馬やディサロ、MF下田悠哉(3年)らの推進力のあるドリブルもアクセントに東京Vを押し込んだ。そして前半アディショナルタイム、MF瀬古樹(2年)の右FKをファーサイドの池田が一段階打点の高いヘッドで折り返すと、GKとDFとの間に飛び込んだディサロがダイビングヘッドでゴールへ押し込んで先制点を奪った。

 東京Vは前半、警戒されても通し続けたU-19日本代表CB三竿健斗(3年)の縦パスなどを起点に攻めたが無得点に終わった。ハーフタイムに「『技術云々の前に戦う姿勢が出ていない』と言われて。そこからチームでもう1回頑張ろうと話をした」と三竿は振り返ったが、激を受けたチームは後半ギアチェンジ。三菱養和の分厚い守りを“ヴェルディらしい”攻撃で攻め立てた。三竿やU-19日本代表MF中野雅臣、MF井上潮音、MF田代蓮太(すべて3年)らがショートパス、ワンツー、そしてドリブルと徹底した“地上戦”で打開しようとすると、体調不良を押して出場した中野が左足で次々と強烈なシュート。加えて11分に投入された1年生MF渡辺皓太の抜群のキープ力と狭いゾーンで通すパスが東京Vの攻撃を活性化させ、同時に前線から右SBへポジションを移した安在達弥(3年)のダイナミックなオーバーラップが三菱養和を苦しめる。

 ただ13分に渡辺が放った右足シュートや24分に左FKをニアサイドのFW室町仁紀(3年)が頭で合わせたシュートなど攻め続け、相手の守りを何度も崩しかけた東京Vだが、「自分はキャプテンだし、体を張って示さないといけない立場」と気合十分だった池田や、ギリギリでスライディングタックルを決める関野太聖(3年)、判断の良いインターセプトを続けていた清野拓斗(2年)の3バックら人数をかけてボールをはじき出そうとする三菱養和の前に決定打を放つことができない。東京Vは30分にもMF林昇吾(2年)とのコンビで左サイドを破った中野のクロスに室町が飛び込んだが、決めることができなかった。

 逆に1チャンスを狙っていた三菱養和は32分、左サイドのMF鯨井広夢(2年)が上げたクロスを相手CB間に入り込んだディサロが頭で決めて2-0。この後、東京Vは再び猛攻を繰り出したが、前線で果敢にプレッシャーをかけ続けた下田や交代選手たちの奮闘も光った三菱養和が勝利した。

 東京Vの冨樫剛一監督は「(後半は)意図している攻撃・守備ができる時間が多かった。(帰陣の遅さや危機感を欠いていた部分は)トップでやればどうなるか。痛い敗戦ではあるけれど、それを学べれば大きな敗戦」。一方、三菱養和の山本信夫監督は「流れの良くない時間に失点しなかったことが一番大きい。守備のところで持ちこたえられたことが大きかったと思います」と全員で守り切った試合を評価し、「(粘り強く守るということは)今までの伝統というか、そういうところが養和の良さだと思うので、それがきょうの試合はできましたけれど、次の試合でも継続してできるように、崩されてもみんなで粘り強く守るということを今後も継続してしていきます」と語った。過去3年は8位、8位、7位といずれもギリギリながらトップリーグ残留という快挙を成し遂げてきた三菱養和が、今年も全員で一戦一戦戦い、プレミアリーグに生き残って来年へバトンをつなぐ。

[写真]前半終了間際、先制ゴールを決めたFWディサロ中心に喜ぶ三菱養和SCユースイレブン

(取材・文 吉田太郎)
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