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[関東大会予選]甲府城西は準Vも、大会開幕後採用の中央突破で初の関東へ:山梨

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[5.9 関東大会山梨県予選決勝 韮崎高 3-1 甲府城西高 中銀ス]

「タイトルを狙ったけれど、力が足りませんでした」。甲府城西高の萩原慎也監督は無念さを滲ませつつも、素直に敗戦を認めていた。それでも全国高校選手権出場3回の機山工高と第一商高が統合して97年に開校した甲府城西は、日本航空高や日大明誠高などを破って初の決勝進出を果たして初の関東大会出場権獲得。決勝でも今大会途中から取り入れたという中央突破と、得意のサイド攻撃で決定機をつくり出し、FW樋川佑(3年)のスルーパスからMF有野友結(2年)が同点ゴールを決めるなど伝統校の韮崎を苦しめた。

 ラインをコンパクトに保ち、攻撃はポゼッションスタイル。序盤は韮崎の巧みな守備の前にPAが遠く沈黙していたが、徐々に慣れたチームは後半、MF守屋圭人(3年)や樋川が決定的なラストパスを通す。またスピードのあるFW狐塚悠(3年)の突破力の高さも活かしてゴールへ迫った。ただ、焦ってラストパスを出して奪われる回数も少なくなかっただけに、萩原監督は「バイタルの攻略が試合のひとつのポイントだった。1個出すタイミングが早かった。そこを調整できれば」と課題を口にした。 

 短い準備期間ながらも効果を発揮した中央突破は選手たちが考えた案だった。甲府城西は練習前や試合前に選手が中心となって考えてミーティングを行い、コーチングスタッフと意見交換している。指揮官は「ボトムアップ方式の効果です。(トレーニングや戦術が)何のためにやるのか、明確になってきている。(山梨県内で)他がやっていないサッカーをして進化し続けながらやっていきたい」。ミスも計算に入れているようなポゼッションでパスを繋ぎ、ゴールを狙う甲府城西。関東大会では厳しい戦いが予想されるが、チャレンジャーとして思い切った戦いを見せる。

[写真]甲府城西は狐塚のドリブル突破などでゴールへ迫った

(取材・文 吉田太郎)

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