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[2014 Rookie League]名門揃いの激戦リーグで4連覇目指す前橋育英、帝京に逆転勝ち!

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[5.18 2014 Rookie League Aグループ第2節 前橋育英高 2-1 帝京高 裾野G]

 関東、静岡の強豪18校の1年生たちが優勝を争うU-16大会「2014 Rookie League」は18日、第2節を行い、流通経済大柏高、市立船橋高(ともに千葉)など10チームによる上位リーグのAグループでは、4連覇を目指す前橋育英高(群馬)と帝京高(東京)の名門校同士が激突。前橋育英が2-1で逆転勝ちした。

 前日の開会式で堂々と「4連覇を目指します」と宣言した前橋育英が、終盤の逆転劇で勝ち点3を加えた。MF廣瀬星輝とMF細山海斗が抜群の攻撃力を発揮し、FW人見大地が貴重なゴールを決めるなど後半強さを見せつけた市立船橋との初戦に続く2連勝。「前半の入りが悪い」と主将のCB浅賀祐太が振り返ったように、この日の前半は前日の市立船橋戦同様に内容が良くなかったが、GK月田啓が前半37分にゴール至近距離からMF遠藤巧に放たれた右足ボレーをストップするなど、市立船橋戦に続いてビッグセーブを連発し、帝京の前に立ちはだかる。

 そして攻撃面では最終ラインからポゼッションし、数的優位のできたところからダイレクトのパスを交えてスピードアップ。それでも互いに声を掛け合いながらパスコースを消して相手のミスを誘い、スピードのある攻撃を見せていた帝京が先制する。43分、中央から左サイドへ展開すると、MF大塚迅人のセンタリングを受けたFW中島洸が胸トラップから技ありの左足シュートをゴール左上隅へ沈めた。選手間で厳しく指摘し合う声が常に飛び交っていた帝京。集中力の高い攻守でV4を狙う王者からリードを奪った。

 リードを奪われた前橋育英は後半、ゴール前までボールを運ぶものの、CB鈴木大雅やCB山崎大熙らが集中力高く守る帝京の厚い壁を破ることができなかった。逆に18分にはFW青柳寛己のスルーパスから交代出場のFW齊藤大輝に抜け出されて決定的なシュートを放たれてしまう。ただ、この一撃はポストを直撃。運も味方につけた前橋育英はロングボールを増やしてダイナミックに1点を狙い、試合をひっくり返した。まずは21分、ボランチの位置から鋭い飛び出しを見せていたMF大塚諒が右サイドからのロングボールを引き出すと、トップスピードのままコントロールしてそのまま豪快な右足シュート。これがゴールへ突き刺さり、同点に追いつく。

 35分には大塚のスルーパスから再び齊藤に抜け出されたが、これも守備陣の好守で防いだ前橋育英は38分に決勝点を奪った。大塚の左CKを浅賀が頭でゴール左隅へねじ込んで2-1。この後の帝京の反撃を封じた前橋育英が競り勝った。前橋育英は1年生チームの指揮を執る白石敦志コーチが「前半はあたふたしていましたけれど、(入学した)4月よりも走れるようになっている」と評したように向上した体力面を逆転勝利へつなげ、また「昨年の方が一体感があったぞ、というように刺激したりしていた。声も掛け合いながらやれている」(白石コーチ)というチームはベンチの選手たちが得点者やアシストの選手をハイタッチで迎えるなど一体感もあった。

 09年全国高校総体で優勝し、全国高校選手権4強4回。また多くの名選手を輩出している前橋育英には、横浜FM、浦和、広島、F東京の育成組織のほか、関西や九州からも選手たちが挑戦してきている。日ごろのトレーニングからハイレベルな競争が繰り返され、元日本代表MF山口素弘(現横浜FC監督)やMF細貝萌(現ヘルタ・ベルリン)ら偉大なOBのプレー映像を見ることでまた意欲を高めているという。今大会では、トップチームも静岡遠征中だったこともあり、前日の初戦では山田耕介監督がベンチ入り。指揮官も1年生からトップチームへ引き上げること可能性があることを口にするだけに選手たちのモチベーションは高い。浅賀は「トップチームに常に入って、インターハイ、選手権で日本一になりたい」と誓う。「タイガー軍団」の1年生たちは「日本一になるために早い段階で経験を積むことができる」(白石コーチ)という「2014 Rookie League」で白星を重ねてそれぞれがアピールし、個人の、そしてチームの目標を果たす。 

[写真]後半21分、前橋育英はMF大塚が同点ゴール

(取材・文 吉田太郎)
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