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[MOM1246]大宮ユースMF小野雅史(3年)_3年間の成長が実を結んだ“プレミア昇格決定弾”

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.15 プレミアリーグ参入戦2回戦 大宮ユース 2-1 仙台ユース Eスタ]

 13日に行われるはずだった初戦が雪によって翌14日に延期となり、まさかの2連戦に。加えて、この日は勝っても負けても2014年最終試合。MF小野雅史(3年)が「疲労もあったし、チームにとってのラストの試合ということもあって、自分たちのペースで試合ができなかった」と振り返ったように、大宮アルディージャユースは試合開始からチーム全体の動きがどこか硬い。前半、自陣でボールを保持しても攻撃陣に出すパスが合わないケースが散見される中、小野は「いつもとピッチコンディションが違ってボールが走らなかった。それでも、強いパスを出すなど基本的なことを狙いながらも、ゴールを狙っていた」。中盤でボールを引き出し、“いつも通り”のプレーでチームの「らしさ」を引き出そうと奮闘を続けた。

「簡単に言うと、監督からやれ!と言われた(笑)。自分たちは技術があるチームなので、戦う部分やメンタルの部分が重要になってくる」。そう話したように、伊藤彰監督からハーフタイムに喝を入れられた後半は小野だけでなく、チーム全体が息を吹き返した。後半25分に、FW藤沼拓夢のゴールで同点に追いつくと、小野の見せ場が訪れたのが32分。右DF清水玲央のクロスは一度、相手DFに渡ったが小野は素早く身体を当てて、ボールをカット。倒れた相手よりも先に起き上がり、ルーズボールに反応すると、冷静にゴール左隅に流し込んだ。「怪我してずっとチームに迷惑をかけていたので、最後の最後で後輩たちに何かを残そうと思っていた。結果が残せて良かった」と笑顔を見せた。

 ジュニアユースからユースチームに昇格した直後は左足での技術と軽やかな動きで相手をいなして、周囲を使う小柄なテクニシャンという印象だった。だが、「抜いても身体がぶつかって負けたり、スピードで行くシーンでも身体負けしてきた。対人や個人的な強さがないとチームとして活きない。一人でも行ける選手にならないとダメだと思った」という考えから筋トレを繰り返し、体重は高校3年間で5kgも増加。「これまではぶつからないタイプだったけど、今はコンタクトプレーの選手」とプレーに力強さが加わった。「3年間、ずっとやってきたことがこの1点に繋がったと思う」。そう評したように3年間の成長が実を結んだゴールだと言える。

 今年は怪我の影響でコンスタントにプレーができず、トップチーム昇格を果たせなかったが、「フィジカルコンタクトだったり、走って前から奪ったり、攻撃だけじゃない部分で成長できたと思う。日本人で攻撃と守備が両方できる選手は少ないけど、海外で活躍する選手はそういう選手」と口にしたようにこの3年間で成長への手応えを感じている。「昇格は狙っていたことなので残念だけど、大学で一から学んでプロになりたい。欲を言えば、大学3年で強化指定選手になって戻りたい」と続ける。この日の活躍は有終の美を飾ると同時に新たに見据えたプロへの第一歩を踏み出すモノだった。

(取材・文 森田将義)
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