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要所で踏ん張り、難敵仕留める2発!水戸啓明が明秀日立撃破:茨城新人戦

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[1.24 茨城県新人大会準決勝 明秀日立高 0-2 水戸啓明高 鹿島ハイツ2]

 平成26年度茨城県高校サッカー新人大会準決勝で13年度全国高校選手権16強の水戸啓明高と、昨年度全国高校総体県予選準優勝の明秀日立高が対戦。水戸啓明が2-0で勝ち、決勝へ進出した。

「チームで決めたテーマ、PAの角をどう取るか。また守備は方向性を決めてやるという部分で良くやっている。中盤でセカンドを握りきれなくてもシュートを打たせない、といったように、優先順位を持ってやってくれている。そして、我慢して最後、相手の息の根を止めたのは良かった」。水戸啓明の巻田清一監督(元浦和MF)はリードしながらも押し込まれる時間帯の長かった試合で踏ん張り、終了間際のダメ押し点で勝ち切った選手たちに目を細めていた。
 
 立ち上がりにパワーを持って試合に入った水戸啓明が先制点を奪った。7分、バイタルエリアでターンしたFW鈴木聖矢(2年)がボールを運んでから左前方へスルーパス。これを受けたMF石橋祐哉(1年)が左足シュートをゴールへ流し込む。笑顔で駆け寄ったチームメートから「良く決めてくれた!」と1年生アタッカーに感謝する声も挙がった先制点。ただ、明秀日立はその後、コンパクトにラインを保ち、セカンドボールの攻防戦で優位に立つと相手を押し込んで反撃する。

 11分には左SB石川慶人(2年)の左足FKがゴールを捉え、14分には10番MF吉田知樹のロングシュートがゴールを襲った。また左FW石井悠人(2年)のスピードを活かした攻撃も見せた明秀日立だが、水戸啓明は献身的なプレスバックが印象的なMF坂本信光主将(2年)を筆頭にハードワークを徹底。MF鬼澤龍汰(2年)が要所を封じ、またゴール前では鬼澤が「CBは2人とも良かった。カバーも良く出来ていた」と評した宮野光平高橋那友太(ともに2年)のCBコンビや小柄なGK松信涼太(2年)の好守で得点を許さない。

 リードして前半を折り返した水戸啓明は後半開始から4-3-3を2トップに切り替え、前がかりになってくる相手の背後を狙う攻撃を徹底。明秀日立も、ともに突破力のある吉田、FW小磯克文(1年)のドリブルでサイドからプレッシャーをかけると、37分には1年生MF平井雅大(1年)の右足ミドルがクロスバーを叩く。この跳ね返りになだれ込んで強引にゴールを破ろうとしたが、水戸啓明の身体を張った守りの前に得点することができない。逆にアディショナルタイム、水戸啓明は石橋のパスで抜け出した交代出場の10番FW木村秀人(2年)がGKをかわして勝負に決着をつける2点目を奪った。

 今年の水戸啓明は、日本高校選抜にも選出されたFW石川大地(現桐蔭横浜大)を擁した13年度のチームのような絶対的なタレントは不在。その中で役割を徹底して戦うことのできる選手たちがいることが強みとなっているが、巻田監督は「(選手たちはまだまだ)苦しさに負けてしまう。『オマエら、弱虫だ』と言うんです。(目標を達成するためには)『疲れてできない』ではいけない。瞬間瞬間やり切らなければならない。10回局面があったら、10回やり切らなければならない。頑張ればチャンスはやってくる。それがサッカー」と指摘する。我慢強い戦いで勝ち切ったが、運動量の面などまだまだ指揮官の合格点には届かない。もっと厳しい試合でもやり切る力をつけなければならない。

[写真]前半7分、水戸啓明はMF石橋が左足で先制点

(取材・文 吉田太郎)

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