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「一番結果を求められている」投票で決まったF東京U-18の10番、FW佐藤が決勝点

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[2.1 東京都クラブユースU-17選手権 F東京U-18 3-2 横河武蔵野FCユース 武蔵野苑多目的]

「誇りと責任ということは感じていますし、その中でFC東京というチームで10番をつけさせてもらっているのは、一番結果を求められていると思う。そういった意味では毎試合毎試合得点という結果で応えて行かないといけないと思っていますし、練習とかだけじゃなくて学校生活や私生活でもチームメートに示していかないといけない」。FC東京U-18はこの日が新ユニフォーム、新背番号での初戦。トップチームに昇格したFW佐々木渉から10番を引き継いだFW佐藤亮(2年)が決勝点を叩き出した。

 後半42分、MF伊藤純也の左FKをファーサイドで頭で合わせて決勝点。「なかなかヘディングで決められない。普段は入っていかないんですけど、『得点を取りに行かないといけない』という想いで入って行った」という佐藤の決勝弾だった。この日は前半から「自分が何とかする」という気迫が最も表に出ていた。武器である右サイドからのカットイン、左足シュートでゴールを脅かす。持ちすぎる部分もあってチームは相手の守りを攻略することができなかったが、最後に10番は試合を決める仕事をした。

 10番にはこだわりがあった。スタッフが介入せず、選手同士で背番号を決めるF東京U-18は今年、10番をつけたいと複数の選手が名乗りを挙げたという。その中、「誰がふさわしいか」という投票で最も多くの支持を得たのが佐藤だった。「家族に報告したら喜ぶ顔じゃなくて、心配そうな顔の方が大きかったというのがあります」。嬉しかったと同時に大きなプレッシャーも感じた。だからこそ、10番によりふさわしくなるための努力を続けている。「体調管理は心がけていて、食事だったり、休養だったりというのはもちろんなんですけど、チームとして活動していない時にどれだけ差をつけるかだと思っているので、自主練をやっています。走りを毎日やって、あとはボールタッチのところをやっています」。選んでくれた仲間、10番を争ったライバルたちのためにも結果を残すつもりでいる。

 サッカーを始めたきっかけは“イタリアの至宝”元イタリア代表の10番、FWロベルト・バッジオだ。幼い時に来日したバッジオのプレーを観戦し、「気づいたらずっとサッカーをやっていた」。悩んだ時はいつもバッジオのプレーを見るようにしているという。「トラップからドリブルに入るところと、ドリブルからシュートっていうすべてが完ぺきな選手だと思っている。自分が理想とするすべてのプレーをいつも彼がやってくれているので、自分がプレーで困った時はロベルト・バッジオのプレーを見る様にしている」。憧れの選手に少しでも近づくため、今はトップチーム昇格へ向けてに努力する毎日。この日は強引なドリブルがやや目立ったが、判断速いパスで相手を外すこともできる存在だけに、どれだけチームの中で良さを発揮していくことができるか。「今シーズン通して、本当にチームとして勝つのも一番大事ですけど、その中で個人でどれだけ輝けるか。サポーターとか家族が今まで支えてくれているので、恩返しするためにも個人としても結果を出し続けてチームの勝利に貢献していきたい」と誓った。

(取材・文 吉田太郎)

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