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エース土居2発と起用に応えたMF片辺もゴール、玉野光南が大社下して中国新人戦3位に

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[3.16 中国新人大会3位決定戦 玉野光南高 3-0 大社高 山口県立おのだサッカー交流公園]

 第7回中国高校サッカー新人大会(山口)は大会最終日の16日、3位決定戦と決勝を行い、3位決定戦では玉野光南高(岡山1)がエースFW土居晃貴(2年)の2発とMF片辺滉己(2年)のゴールによって大社高(島根3)に3-0で快勝した。

 玉野光南は前日の準決勝で優勝校の立正大淞南高(島根1)に1-2で悔しい敗戦。気持ちの切り替えが難しい状況だったが、試合前の長いミーティングで乙倉健二監督から今大会の目的を再確認された。土居は「(会場に)来てからとか集中力なかったので、それに対してカツ入れられた。何しに来たのかを再確認して、それはプリンス勢とやって力だめしするために来た。ここでやらないと来た意味ねぇぞと」と振り返る。

 また乙倉監督の「長いリーグ戦のための、いい経験になればいい」という考えからこの日は負傷を抱えるCB西中竜斗主将(2年)の先発を回避し、プリンスリーグ中国開幕へ向けて経験値の少ない選手たちにチャンスが与えられた。その中で玉野光南は指揮官が「(普段)使ってやれん子がファイトしてくれましたね」と目を細める戦いぶりによって大会を3位で終えた。

 立ち上がり、玉野光南が相手の背後を取りかけたが、最終ラインから丁寧にボールを繋ぐ大社もすぐさま反撃する。10分にはMF廣江太輝(2年)が右サイドの深い位置までボールを運ぶと、FW桑垣誓広主将(2年)がクロス。これを10番MF森山裕大(2年)が左足ボレーで合わせる。さらに13分には、この日中盤からの飛び出しを繰り返していたMF黒崎龍樹(2年)がスルーパスで抜け出してGKと1対1に。だがシュートはGK栗尾純平(2年)のビッグセーブによって阻まれた。

 このピンチを切り抜けた玉野光南は前線からの積極的なプレッシングによって、大社に何度もバックパスを選択させる。相手の攻撃を減速させて押し込んだ玉野光南は19分、プラン通りにエース土居を投入。相手がシュートレンジまで運ぶ前にボールを引っ掛け、連続してシュートチャンスをつくり出した玉野光南は28分、右サイドのスペースを突いた土居が、強引にDFの前方に出て右足シュートを叩き込んだ。

 玉野光南はこの日、本来CBの塩田晃大(2年)をボランチ起用。ともにMF登録の塩田奨馬(2年)と有吉亮稀(2年)がCBコンビを組んだが、要所を封じて無失点で試合を進める。乙倉監督が「局面をパッと変えてくれるところがある」と評する塩田晃の配球からFW桑田大樹(2年)らが仕掛けて決定機を作り出した。後半9分にはMF岩本大輝(1年)のアシストで右サイドを抜け出した土居が、タッチライン際から技ありのシュートを決めて2-0と突き放した。

 大社も18分、左サイドから仕掛けた桑垣が一度ボールを失いながらも自ら奪い返すと、再び打開を試みてPKを獲得。だが、桑垣の放った右足PKは左へ跳んだGK栗尾がストップする。ポストの跳ね返りを桑垣が押し込もうとしたが、これを栗尾が再びビッグセーブ。大社は追撃することができない。

 逆に直後の19分、玉野光南は交代出場の片辺が中央の塩田晃から左サイドでパスを受けると、「ずっと自分は試合出ていなくて結果にこだわろうと思っていた。出たらシュートを打とうと思って打ちました」と狙いすました右足のファインショット。土居が「あまり試合に出ていなくてBで頑張ってきてやっと上がってきた選手。コイツが決めてくれれば盛り上がる」という片辺の一撃でチームはこの日最大の盛り上がりを見せた。大社も終盤は1トップからポジションを下げた桑垣の展開など、大きくボールを動かしながら反撃。右SB園山栄樹(2年)や森山が強引に1点を奪いに行くなど最後まで得点への意欲は見せていたが、無得点で4位に終わった。

 玉野光南にとって岡山県内最大のライバルは作陽だ。これまで、その壁に何度も跳ね返されてきた。それでも、現3年生の中には2年前の選手権予選で作陽の連覇を8でストップした試合を経験している選手たちがいる。今年、再びライバルを上回って全国舞台に駆け上がることができるか。土居は「1回勝っているので勝てない相手ではないとボクたちは思っている。そこは負けられられないという気持ちが大きい」。まだまだ1対1での弱さや連動した守備の部分など課題はある。だが、4試合を戦い、「スタメンになれるように、これから遠征とかあるので今日みたいにやっていきたいです」という片辺らサブ組のアピールもあった中国新人大会を今後の公式戦に繋げる。

[写真]後半28分、片辺(20番)のゴールで盛り上がる玉野光南イレブン

(取材・文 吉田太郎)

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