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広島皆実は準優勝も、自信と成長の中国新人大会に

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[3.16 中国高校新人大会決勝 立正大淞南高 3-1 広島皆実高 山口県立おのだサッカー交流公園]

 広島皆実高は後半に突き放されて準優勝。河江俊明監督が「1対1の対応が弱いなというのがある。もうちょっと複数で、チャレンジ、カバーの選手、それぞれの役割を明確にやっていくことが必要かなと思いました」と振り返ったように、決勝では立正大淞南の鋭い突破に崩されるシーンが続き、押し込まれる展開となった。守備に時間を割かれる展開の中、思うような攻撃に繋げることができない。結果、チームとして取り組んできたいい形の攻撃から守備に入ることができずに準優勝。それでも、試合終盤には多くの選手がボールに絡みながら、セカンドボールを拾って連続攻撃を繰り出し、35分にはFW有國修平(2年)のアシストから中央へ飛び込んだMF藤井敦仁(1年)が1点をもぎ取った。

 広島皆実は昨年、ベスト8へ進出した全国高校総体では1年生の藤井敦が先発を務めていたものの、冬の全国高校選手権の先発メンバーは全11人が3年生だった。世代が代わり、経験値の少ないチームは広島県新人戦で準優勝。決勝までは勝ち進んだものの、意図する形でチャンスをつくるようなシーンが少なかったという。それでも、今大会について河江監督は「県の新人戦に比べたら、形としていいゴールとか意図した攻撃ができていた。それは収穫。(現1、2年生は)公式戦の数が少ないし、自信にもなったと思う。最後1点取ったような形、ああいう攻撃をしながら守備できたらいいねという話をしていた。まだまだ発展途上ですけれども、県の大会よりは進歩したと思う」。ボールの精度やバリエーションを増やすことを課題に挙げていたが、彼らの成長も認めていた。

 最終ラインの中央で相手の攻撃を跳ね返し続けた主将のCB林耕平(2年)は「まだ守備の時に全体としてやるべきことができていなかった。次の大会までに直していきたい。横にズレたり、複数で取りに行ったり、全体的には1対1で抜かれないこと。きょうは抜かれていたので複数で取りに行くことができなかった」と反省。それでも「特に攻撃の部分で県大会よりもできることが増えたと思います」と手応えも口にする。1回戦と準決勝では有國が2試合連続で決勝点。またMF藤井陸(2年)を中心としたパスワークに加え、林も前線へのフィードで2アシストするなど攻撃面での成長を感じている。

 昨年に比べて今年は周囲からの評価は高くなかったようだが、それは間違いなく選手たちの発奮材料になっている。結果を残すことが簡単なことではないことは分かっているが、全員で成長して昨年の成績を越えること。林は「みんな悔しい思いをたくさんしてきたので、(去年のチームを)『追い抜かそう』って。まず個人の課題を克服していくこと、チームとしては今やっている角を取ることとか意識してやっていきたいです」と誓った。

[写真]広島皆実はCB林(右)が相手の突破を阻止する

(取材・文 吉田太郎)

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