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[UAチャレンジカップ]聖光学院は準決勝敗退も、「思っていた以上に可能性を感じた」大会に

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[3.24 UAチャレンジカップ準決勝 彦南高 6-0 聖光学院高 富士緑の休暇村]

 日韓の強豪8チームが優勝を争う「第7回アンダーアーマーチャレンジカップ2015 SPRING」は24日午後、準決勝を行い、韓国王者・彦南高と聖光学院高(福島)との一戦は彦南が6-0で快勝。佐野日大高と戦う決勝進出を決めた。

 前半終了間際に3連続ゴールを奪われるなど悔しい敗戦となったが、前半半ば以降はむしろ聖光学院の方が多くのチャンスをつくっていた。聖光学院は前半6分、左サイドからのラストパスがゴール前にこぼれたところを彦南FWアン・ギョンチャンに押し込まれて失点。その後連続でピンチを迎えたものの、立て直した聖光学院は11分、セカンドボールを回収したMF吉川樹(新2年)が右足ミドルへ持ち込む。さらに12分にはFW藤倉塁(新3年)が彦南DF陣をドリブルで切り裂いて左足シュート。171cmのMF吉川や右SB桐生天翔(新3年)が激しいコンタクトプレーを厭わずボールを奪い返すと、「横に動かして行って隙があれば、斜めや縦に走ってくる選手にピンポイントに合わせて、ゴールに繋がるパスを出せればいい」という10番MF稲生航(新3年)の配球からMF菅野恭瑚(新3円)やFW青木汰百(新2年)のドリブル突破などで彦南に対抗していく。

 22分には左サイドからカットインした藤倉が強烈な右足シュート。これはGKのファインセーブに阻まれたものの、27分にも稲生のスルーパスで藤倉が右サイドを抜け出すなど彦南ゴールを脅かすようなシーンをつくった。それでも山田喜行監督が「守備の失点の仕方が軽い。リスク管理が甘いです」と振り返ったチームは前半終了間際にわずかな隙を広げられて3連続失点。あっという間に勝敗の行方を決定づけられてしまった。

 山田監督は彦南の強さについて「確実で堅実。アップから凄く集中している。徹底している」と分析。また稲生は「プレスバックの速さだったり、裏に抜ける速さだったり、フィジカルの面だったり、そのプレーの中での動き方に世界を感じました。一番感じたのはボールの動かし方の速さ。自分たちはサイドチェンジを練習しているんですけど、遅いので詰まってせっかくの攻撃が失ったり、後ろに戻したりになっている。彦南高校は一発でサイドにきたり、それは違いになっていた」と韓国を代表する高校から学んでいた。

 準決勝では結果的に大敗となったが、今大会で聖光学院は可能性の高さを示した。主力を温存した初戦こそ敗れたものの、続く創造学園高戦を2-0で制し、この日午前の柏日体高戦は3-0で快勝。粘り強く戦い、訪れたチャンスを活かして白星へと繋げていた。山田監督も「モチベーション高くやってくれて、次に繋がる大会になりました。思っていた以上に可能性を感じました」と高い評価を口にする大会となっている。稲生は「冬場からトレーニングしてきてその成果が結果として出ている。今年はインターハイ、選手権ともに尚志を倒して全国に行きたい」。12年度全国選手権以来となる全国へ。今大会で学んだことを結果に繋げる。

[写真]中盤で存在感を示した聖光学院MF吉川

(取材・文 吉田太郎)
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