[プレミアリーグWEST]昨季開幕9連敗の京都橘が開幕戦で勝ち点獲得!プレミア初陣の大分U-18とドロー
[4.11 高円宮杯プレミアリーグWEST第1節 京都橘高 1-1 大分U-18 J-GREEN堺]
11日、高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯U-18サッカーリーグ2015 プレミアリーグWESTが開幕し、昨季8位の京都橘高(京都)と昇格組の大分トリニータU-18(大分)との一戦は1-1で引き分けた。
京都橘は初参戦した昨季、開幕9連敗。第10節の東山高戦の引き分けで初めて勝ち点1を獲得した。首位・G大阪ユースを撃破するなど残り4試合を2勝2分で乗り切って見事残留を果たしたとは言え、非常に苦しい1年を送っている。その京都橘が今年は開幕戦で勝ち点1奪取。米澤一成監督は「昨年は本当に苦しかったし、この1が活きる様にやりたい」と語った。
試合は前半、U-17日本代表でのサニックス杯出場、日本高校選抜の欧州遠征と過密スケジュールとなっていたエースFW岩崎悠人を「チームのことよりも彼のコンディションも考えてあげないといけない。(また)堅い展開になると思って、前半は全員で凌いで。やれるタイミングは後半の方が多いと思ったので、そこに岩崎を置きたかった」(米澤監督)という理由ベンチスタートさせた京都橘を大分が攻め立てる展開となった。
大分はU-18日本代表候補の司令塔・岩田智輝やMF江頭一輝(ともに3年)を軸に横の幅を活用しながらグラウンダーのショートパスでボールを動かし、最終ラインからは吉平ツインズの兄、CB吉平駿(3年)が左右両足から正確なフィードを入れて行く。その大分は11分にMF鷺原拓也(3年)のラストパスからMF宮地裕二郎(3年)が決定的な左足シュートを放ち、14分にも鷺原のスルーパスからU-18日本代表候補FW吉平翼(3年)、17分には右サイドからのラストパスに反応したMF浅原直弥(3年)と立て続けに決定機を迎える。
それでも試合を通じて存在感を示していたGK矢田貝壮貴(2年)がビッグセーブを見せる京都橘は、カバーリング良く危険を消す10番CB小川礼太主将(3年)とCB水井直人(2年)ら最終ラインも奮闘。前線の選手も献身的に相手との距離を詰めるなど、「高い実力備える参入組」大分に必死に食い下がっていた。大分は33分に右サイドを突いた吉平翼の折り返しを鷺原がスルーして浅原が決定的な右足シュート。中央とサイドを意図的に使い分けながら攻める大分は山崎哲也監督が「(相手が4枚、4枚のブロックを形成してくることを想定した中で)1.5列目のところは意図的に使おうと話はしていて選手が対応してくれましたし、サイド攻撃についても自分が監督になってからやり続けているところなので、そのバランスも決して悪くはなかったと思います」と振り返ったように連係良い攻撃も見せてチャンスをつくる。だが、課題のひとつである決定力を欠いたり、攻撃が中央寄りになりすぎる時間帯もあって先制することができない。
前半を0-0で切り抜けた京都橘は後半開始から岩崎を投入。大分は相手の“要注意人物”に対して「スピードは一番速い」(山崎監督)という右SB宮原太一(3年)をマンマークにつけて対応する。そしてダイレクトパスを交えながらチャンスを伺ったが、逆にミスから失点してしまう。6分、京都橘はハーフウェーライン付近でFW坂東諒(3年)が相手のミスパスをインターセプト。3対3の状況を逃さずに攻撃をスピードアップした京都橘は空いた右中間へ走り込んだFW堤原翼(2年)へ坂東がラストパスを通す。必死に対応しようとするDFよりも一瞬早く右足を振り抜いた堤原のゴールによって京都橘が先制した。
岩崎投入とともに明らかに前への意欲高まっていた京都橘に訪れた歓喜。それでも大分は直後、サイド攻撃から右CKを獲得すると、宮地の入れたCKをニアサイドで合わせた吉平翼のヘディングシュートが左ポストを叩く。この跳ね返りを浅原が難なく左足で押し込んで同点に追いついた。あっという間にビハインドを取り戻した大分は岩田がカウンターからスルーパスを通すなど一気に勝ち越しを狙う。だが29分に岩田のスルーパスから吉平翼が抜け出しかけたシーンは京都橘CB小川がPAで必死に対応。35分には吉平翼の左クロスがPAの宮地に通ったが、GK矢田貝が反応よく飛び出して阻止すると、矢田貝はこぼれ球に飛び込んだ浅原よりも一瞬早くキャッチして得点を許さない。
京都橘は相手DF2人を引き付けようと工夫しながら動く岩崎を活用しつつ、マークの外れた選手がミドルシュートを打ち込むなど勝ち点3を目指して終盤を戦う。対する大分もギアを上げてプレミアデビュー戦勝利を目指したが、互いに2点目を奪うことはできず。1-1で勝ち点1を分け合った。大分の山崎監督は選手たちに緊張の色も見えた開幕戦について「トリニータにとって初めてのプレミアリーグということで緊張もありましたし、気負っていた部分もありましたけれども、ウチらしいサッカーができたと思っているので次に繋がる勝ち点1だと思っています」と前向き。一方、京都橘の岩崎は「去年悔しい想いをしているので前期もうちょっと勝ち点勝ち取って後期を戦っていきたい。なかなか自分らのやりたいサッカーをできないと思うので、まずはやるべきことをやって自分らの攻撃をしていきたいです」。試合終了の瞬間、大分の選手に悔しがる選手が多かった開幕戦。次節、今季初勝利に再挑戦する。
(取材・文 吉田太郎)
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2015プレミアリーグWEST
11日、高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯U-18サッカーリーグ2015 プレミアリーグWESTが開幕し、昨季8位の京都橘高(京都)と昇格組の大分トリニータU-18(大分)との一戦は1-1で引き分けた。
京都橘は初参戦した昨季、開幕9連敗。第10節の東山高戦の引き分けで初めて勝ち点1を獲得した。首位・G大阪ユースを撃破するなど残り4試合を2勝2分で乗り切って見事残留を果たしたとは言え、非常に苦しい1年を送っている。その京都橘が今年は開幕戦で勝ち点1奪取。米澤一成監督は「昨年は本当に苦しかったし、この1が活きる様にやりたい」と語った。
試合は前半、U-17日本代表でのサニックス杯出場、日本高校選抜の欧州遠征と過密スケジュールとなっていたエースFW岩崎悠人を「チームのことよりも彼のコンディションも考えてあげないといけない。(また)堅い展開になると思って、前半は全員で凌いで。やれるタイミングは後半の方が多いと思ったので、そこに岩崎を置きたかった」(米澤監督)という理由ベンチスタートさせた京都橘を大分が攻め立てる展開となった。
大分はU-18日本代表候補の司令塔・岩田智輝やMF江頭一輝(ともに3年)を軸に横の幅を活用しながらグラウンダーのショートパスでボールを動かし、最終ラインからは吉平ツインズの兄、CB吉平駿(3年)が左右両足から正確なフィードを入れて行く。その大分は11分にMF鷺原拓也(3年)のラストパスからMF宮地裕二郎(3年)が決定的な左足シュートを放ち、14分にも鷺原のスルーパスからU-18日本代表候補FW吉平翼(3年)、17分には右サイドからのラストパスに反応したMF浅原直弥(3年)と立て続けに決定機を迎える。
それでも試合を通じて存在感を示していたGK矢田貝壮貴(2年)がビッグセーブを見せる京都橘は、カバーリング良く危険を消す10番CB小川礼太主将(3年)とCB水井直人(2年)ら最終ラインも奮闘。前線の選手も献身的に相手との距離を詰めるなど、「高い実力備える参入組」大分に必死に食い下がっていた。大分は33分に右サイドを突いた吉平翼の折り返しを鷺原がスルーして浅原が決定的な右足シュート。中央とサイドを意図的に使い分けながら攻める大分は山崎哲也監督が「(相手が4枚、4枚のブロックを形成してくることを想定した中で)1.5列目のところは意図的に使おうと話はしていて選手が対応してくれましたし、サイド攻撃についても自分が監督になってからやり続けているところなので、そのバランスも決して悪くはなかったと思います」と振り返ったように連係良い攻撃も見せてチャンスをつくる。だが、課題のひとつである決定力を欠いたり、攻撃が中央寄りになりすぎる時間帯もあって先制することができない。
前半を0-0で切り抜けた京都橘は後半開始から岩崎を投入。大分は相手の“要注意人物”に対して「スピードは一番速い」(山崎監督)という右SB宮原太一(3年)をマンマークにつけて対応する。そしてダイレクトパスを交えながらチャンスを伺ったが、逆にミスから失点してしまう。6分、京都橘はハーフウェーライン付近でFW坂東諒(3年)が相手のミスパスをインターセプト。3対3の状況を逃さずに攻撃をスピードアップした京都橘は空いた右中間へ走り込んだFW堤原翼(2年)へ坂東がラストパスを通す。必死に対応しようとするDFよりも一瞬早く右足を振り抜いた堤原のゴールによって京都橘が先制した。
岩崎投入とともに明らかに前への意欲高まっていた京都橘に訪れた歓喜。それでも大分は直後、サイド攻撃から右CKを獲得すると、宮地の入れたCKをニアサイドで合わせた吉平翼のヘディングシュートが左ポストを叩く。この跳ね返りを浅原が難なく左足で押し込んで同点に追いついた。あっという間にビハインドを取り戻した大分は岩田がカウンターからスルーパスを通すなど一気に勝ち越しを狙う。だが29分に岩田のスルーパスから吉平翼が抜け出しかけたシーンは京都橘CB小川がPAで必死に対応。35分には吉平翼の左クロスがPAの宮地に通ったが、GK矢田貝が反応よく飛び出して阻止すると、矢田貝はこぼれ球に飛び込んだ浅原よりも一瞬早くキャッチして得点を許さない。
京都橘は相手DF2人を引き付けようと工夫しながら動く岩崎を活用しつつ、マークの外れた選手がミドルシュートを打ち込むなど勝ち点3を目指して終盤を戦う。対する大分もギアを上げてプレミアデビュー戦勝利を目指したが、互いに2点目を奪うことはできず。1-1で勝ち点1を分け合った。大分の山崎監督は選手たちに緊張の色も見えた開幕戦について「トリニータにとって初めてのプレミアリーグということで緊張もありましたし、気負っていた部分もありましたけれども、ウチらしいサッカーができたと思っているので次に繋がる勝ち点1だと思っています」と前向き。一方、京都橘の岩崎は「去年悔しい想いをしているので前期もうちょっと勝ち点勝ち取って後期を戦っていきたい。なかなか自分らのやりたいサッカーをできないと思うので、まずはやるべきことをやって自分らの攻撃をしていきたいです」。試合終了の瞬間、大分の選手に悔しがる選手が多かった開幕戦。次節、今季初勝利に再挑戦する。
(取材・文 吉田太郎)
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