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[プリンスリーグ中国]白星引き寄せた粘り強さとスプリント、米子北が首位奪取

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[7.11 高円宮杯プリンスリーグ中国第9節 立正大淞南高 1-2 米子北高 浜山公園補助競技場]

 高円宮杯U-18サッカーリーグ2015 プリンスリーグ中国は11日に第9節を行い、前節終了時点で首位の立正大淞南高(島根)と、同2位の米子北高(鳥取)が対戦。米子北が2-1で逆転勝ちし、立正大淞南と入れ替わって首位に浮上した。

 6月22日に行われた中国大会決勝では、壮絶な打ち合いの末に立正大淞南が5-4で制しているこのカード。そのときは立正大淞南が常に先手を取る形で進んだが、再戦でも先制したのは立正大淞南だった。前半11分、MF上西健也の左CKを、ファーサイドのFW杉本龍哉がヘッド。米子北守備陣に当たってこぼれたところを、FW井上直輝が左足で蹴り込んだ。井上直はこれで、全国高校総体予選前から数えて4試合連続のゴールとなった。

 その後しばらくは立正大淞南が主導権を握り、攻撃から守備への切り替え、セカンドボールの争いで上回って攻め立てる。GK小笠姫馬、キャプテンのCB饗庭瑞生、CB武田航太朗など、主力の多くが欠場した守備陣も安定したプレーを見せていた。しかし米子北の守備陣も粘り強く対応して2点目を食い止めると、前半終了間際に少ないチャンスを生かして同点とする。こぼれ球を拾ったMF小長裕也がタイミング良くディフェンスラインの間にパスを通すと、フリーとなったFW谷口喬亮が決めて追い付いた。

 後半は一進一退の攻防が続き、それぞれチャンスを作りながらも決められなかったが、引き分けが見えてきた後半42分、米子北が逆転ゴールを奪う。魚橋良輔の前線へのロングパスを、交代出場の崎山誉斗が長いスプリントで追い、ブロックしようとした相手DFの背後から左足を伸ばして蹴り込んだ。「僅差の勝負になるので、どこまで粘ることができて、どこでスプリントして前に出ることができるかが勝負だった」と振り返る、城市徳之監督の言葉どおりのプレーが結局、決勝点となり、米子北が逆転勝利を収めた。
 
 米子北は通算成績を6勝3分として、リーグ唯一の無敗をキープ。城市監督は「今年度のチームは得点が取れないので、前線は入れ替えながら戦っている。いつも僅差の試合になる」と語るものの、その中で勝ち点を積み上げる粘り強さを発揮している。
 
 18日の第10節を終えると、8月3日の1回戦で佐賀学園高(佐賀)と対戦する全国高校総体への準備が本格化する。隣県の兵庫での大会に向けて、城市監督は「サイドアタックを徹底したい。今日もクロスボールの狙いどころが、もう少しあったはずなので、精度を高めないと」と語った。さらに「ウチの持ち味は攻守の切り替え。今日は終盤に少し遅くなったけれど、全国総体は70分ハーフなので、最後までしっかりできなければいけない」と付け加え、90分ハーフのプリンスリーグとは違う様相となるはずの戦いを見据えた。

[写真]後半42分、米子北は崎山が左足で決勝ゴール

(取材・文 石倉利英)
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