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[ADIDAS CUP 2016 in SENDAI]PK失敗糧に台頭、速さと得点力示した成立学園FW鈴木亮祐が「ACE賞」に

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 選手権での躍進を目指す強豪12校が優勝を争った「ADIDAS CUP 2016 in SENDAI」は8日、大会MVPに当たる個人賞「ACE賞」と「X賞」を発表。「ACE賞」には今大会5得点を挙げて成立学園高の優勝に貢献したFW鈴木亮祐(3年)が選出された。

 俊足アタッカー、鈴木は「自分のせいで負けた」総体予選からの成長を示す大会となった。総体予選では勝てば全国大会出場の決まる東海大高輪台高との準決勝で交代出場。だが、0-0で突入したPK戦で2人目のキッカーを務めた鈴木は失敗し、チームも敗れてしまった。「PKには自信持っていて『自分が蹴ります』と言って行ったんですけど、自分が外してしまって、自分の責任で負けたと思っている。あの試合の後から自分が点取って勝利に導けるようにしたいと。そこから(一つひとつの)プレーへの意識が高まりました」。

 敗退後は「凄く悔しいというか絶望的な感じ」だったという。技術レベル高い選手揃う今年のチームならば、全国大会に出場すれば上位進出できる手応えがあった。それだけに、チームメートに対して申し訳無いという思いがあった。だが、その鈴木を前へ向かせてくれたのは仲間たち。彼らの励ましが失意のFWを「頑張らなければいけない」と奮い立たせた。

 鈴木はこれまでは交代出場が続いていたが、今大会では先発組として優勝に貢献。「点取ることと裏への抜け出し、縦へのスピードを活かしたプレーを評価してもらったと思う」という鈴木は「ACE賞」を受賞した。「絶対的支配」をコンセプトとするフットボールスパイク「ACE(エース)」のように、そのスピードとゴールで試合を支配。本人は「外したところも多かったし、決めていれば楽に勝てる試合もあった。GK抜いて外すシーンもあったので、そういうところで決められる選手になりたい。(また)ウチがボールを回している時にもっとボールに絡むことや、裏に抜けるところをもっとやっていきたい」と受賞をきっかけにさらなるレベルアップをすることを誓っていた。

 4月のT1(東京都1部)リーグ・東京実高戦でトップチームデビュー。いきなりゴールを決めた。ゴールでチャンスを掴んできたFWは、今後もゴールでチームを勝たせる意気込みだ。「強いチーム相手になるとシュートシーンが少なくなる。その一発で決められる選手になりたい。インターハイは自分の責任で出れなかったんで、選手権では全国に行って全国でも優勝できるように。この段階から甘さとか全部取り除いてやっていきたい」。チームメートに恩返しするためにも、ここぞの場面で決められるFWになる。

(取材・文 吉田太郎)
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