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[関西U-16~Groeien~]残留争いの大一番は前半5発の東大阪大柏原が野洲に快勝!

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ヘディング弾を決めた東大阪大柏原高DF桂良悟がチームメイトと共に喜びを分かち合う

[8.24 関西U-16 G1リーグ第8節 東大阪大柏原高 6-1 野洲高 伊勢ヴィレッジB]

 関西地域の強豪校が長期にわたるリーグ戦を通して、U-16選手の育成および指導者のレベルアップを図る「関西U-16~Groeien(育てる)~2017」は24日、三重県内に参加18校が集結し、集中開催を実施。上位リーグのG1リーグ第8節、10位・東大阪大柏原高(大阪)対9位・野洲高(滋賀)戦は、6-1で東大阪大柏原が快勝した。

 残留圏内の8位以内を掴むため、ともに是が非でも勝ち点3が欲しい一戦は、試合開始と共に「グロイエンでまだ一勝もできていないので、今日こそはどうしても勝ちたかった」とMF新居虎鉄が振り返る東大阪大柏原が押し込んだ。

 最初の決定機は前半1分。CKのこぼれ球をDF鈴井結大が押し込んで早くも先制すると、直後にもFW高松主音とMF井上輝也がゴールを奪った。守備でも、高松やMF遠藤由希斗らアタッカー陣が「俺たちの良い所は泥臭く、しつこく前線からボールを追いかける動き」(新居)を披露。野洲のパスワークを高い位置で限定し、新居とMF河合凌雅のダブルボランチがきっちり二列目でボールを奪うと、MF米澤可伊斗らによるサイド攻撃に転じた。

 27分には前線で浮き球を受けた遠藤が冷静にゴール右隅へとシュートを決めると、30分に5分には左CKからDF桂良悟が打点の高いヘディング弾を叩き込み、前半だけでリードは5点差に。後半4分にも、途中出場のMF赤木威斗が加点し、早々と試合の大勢を決めた。

 対する野洲は、「早い段階で3点を奪われ、流れを持っていかれたのが痛かった」(MF一原和矢)。丁寧な組み立てから反撃を試みたが、1点を返そうとするあまりに縦へと急ぎすぎた結果、ボールロストから逆襲を受ける場面も目に付き、「攻守の切り替えが遅く、前半は崩せる雰囲気がゼロだった」(上田大輔コーチ)。

 しかし、中盤に厚みを加えた後半からは、上田コーチが「周りが見えているし、サッカーをよく分かっている選手」と評する一原やMF大塚風地を中心としたボール回しが本領を発揮。「前半で大量に得点が獲れてしまい、気が緩んだ」(金子敬介コーチ)という東大阪大柏原の隙も相まって、ゴール前まで進出する機会が増えた。

 後半14分にはFW山川夏輝が自ら奪ったPKを決めて試合の流れを引き寄せると、以降は相手を押し込み、追加点を狙うチャンスもあったが、決定力を欠き、そのままタイムアップを迎えた。この結果、東大阪大柏原の順位は最下位から8位へと上昇。1部残留に大きく近づく貴重な勝ち点3となった。

 開幕戦で神戸弘陵高に1-6で敗れて以降、あと一歩の所で白星を逃がしてきた東大阪大柏原だが、金子コーチが「負けを通じて、たくさんのことを学ばせてもらった」と振り返るように、グロイエンを通じて得た収穫は少なくない。特に喫した6敗のうち4つは、1点差の負けで、「最後まで戦う意識の重要性を知れたのは大きかった」(金子コーチ)。また、夏休み期間中に行った九州遠征もプラスに働いたという。2、3年生主体の四国学院大香川西高などと対戦し、「前からボールを奪いに行かないと負けることを学んだ。当たりの強さなどを知れたことが今日の試合で活きた」(新居)。

 最終節は、他チームの結果次第では、敗戦でも残留が決まる可能性があるが、選手たちの気の緩みはない。新居が「明日の大阪桐蔭高でも今日のように積極的にボールを奪って、勝ちたい」と意気込むように、最終節でも勝ち点3を加え、自力での残留を掴むつもりだ。

(取材・文 森田将義)
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