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[新人戦]準決勝逆転負けの敗因改善した日本航空、卒業式の先輩に贈る5-0快勝で山梨3位に

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前半9分、DF加藤祥真の先制ゴールを喜ぶ日本航空高イレブン

[2.4 山梨県高校新人戦3位決定戦 日本航空高 5-0 東海大甲府高 山梨学院和戸G]

 平成29年度山梨県下高校サッカー新人大会3位決定戦が4日に行われ、日本航空高が5-0で東海大甲府高に快勝。3位で大会を終えた。

 前日3日の準決勝は、後半残り10分まで2-0で優勝校・山梨学院高をリードしながら、そこからの3失点で逆転負け。その敗戦で学んだチームはこの日、3-0の終盤に2得点を奪って一つ成長した姿を示した。

 MF中島偉吹(2年)は「昨日の反省を活かさないと意味がないと(監督の)仲田先生からも言われていて、全員で意識して最後の10分、15分をしっかりやりきろうというのは徹底できたと思います」と胸を張り、主将のMF塚越誠也(2年)は「昨日は2点で緩んでしまった。きょうは3年生の卒業式なので、そのラスト勝っていい報告ができるように試合に臨みました。(5-0は)ちょっと嬉しかったです」と微笑んだ。

 互いにボールを持てば後方からポゼッションにチャレンジ。序盤、よりボールを握っていた東海大甲府はMF榎原拓哉(2年)とMF込山華己(1年)の縦パス、右MF南崎能和ヘンリ(2年)の仕掛けが攻撃をスピードアップさせる。対して日本航空は塚越と中島の注目ボランチコンビの1タッチパスからハイサイドのスペースを突く。

 その日本航空が前半9分に先制点を奪った。右中間で獲得した間接FKから中島がわずかにボールを動かすと、右隣で構えていた左DF加藤祥真(2年)が「壁の枚数とGKを見て、まずニアに蹴ろうと思った」と左足を振り抜く。壁を越えて右ポストとGKに当たったボールはゴールへ吸い込まれた。

 先制された東海大甲府は後方からじっくりと攻撃を組み立てつつ、相手のプレッシングが緩ければ少ない手数でシュートにまで持ち込んでいた。前線からのアグレッシブなプレッシングも披露。だが、強度ある守備で塚越や加藤、DF湯船哲平(2年)らがボールを奪い取る日本航空は、状況に応じて長いボールも活用しながら相手を押し込んでいく。

 そして、連続で決定機を作り出して迎えた31分、相手PAでボールをインターセプトした塚越がそのままゴール。さらにその1分後には好トラップで前を向いたFW江井晋之助(2年)のスルーパスからMF稲見龍翔(2年)が右足で3点目を決めた。

 追撃のチャンスを逸した東海大甲府に対し、カウンター、サイド攻撃から相手ゴールへ迫る日本航空は後半半ば過ぎにファインゴール2発。22分、カウンターから前進した塚越が左前方のFW保科凛(2年)へ預けると、そこから江井、前線の選手を追い越してきた中島と繋ぎ、最後は最前線まで抜け出してきた塚越が右足でゴールを破った。

 さらに30分にも江井のラストパスからMF千葉玲音(2年)が左足で5点目のゴール。加藤は「ずっと我慢していて、ここぞというチャンスの時はインターセプトを狙って取って、カウンターで仕留めることができたのはきょうの勝利に繋がったと思います」と勝因について語っていた。

 前日の反省点を改善しての勝利については仲田和正監督も「相手は違うけれど、最後まで集中切らさずに、見切らずに(それぞれの)仕事をすることは伝えました。(きょうは)最後まで徹底するところは徹底するというところをしてくれました」と頷いていた。

 この日は注目FW師岡柊生(2年)をはじめ、主力級の選手を複数欠いていた日本航空だったが、その中で新しいシステムにもチャレンジし、チームとして成長した新人戦となった。加藤は「まずは4月にリーグ戦が開幕するので今2連覇しているので3連覇目指すのと、総体(関東大会予選)も先輩たちが連覇してくれている。それを後輩に繋いで、インハイ、選手権全てのタイトル取れるように、また一からみんなで努力していきたい」と意気込み、塚越は「去年選手権出れなかったので、去年の反省活かして残り全部取りたい」と力を込めた。

「ここでやらないと後悔すると言われました」(中島)と3年生たちからエールをもらったという日本航空イレブン。先輩たちが届かなかった全国舞台で今年、必ず躍動する。

(取材・文 吉田太郎)

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