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飯島先制弾皮切りに4発!個々の良さ出す回数増やした日本高校選抜が早稲田大に快勝

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1本目15分、先制点を決めた日本高校選抜FW飯島陸(前橋育英高)がチームメートの祝福に応える

[2.9 練習試合 日本高校選抜 4-1 早稲田大]

 3月末からの欧州遠征でデュッセルドルフ国際ユース大会に出場する日本高校選抜が埼玉合宿3日目の9日、早稲田大と練習試合(30分3本)を行い、FW飯島陸(前橋育英高)、FW荒木駿太(長崎総合科学大附高)、MF田中雄大(桐光学園高)、そしてMF青木真生都(東福岡高)のゴールによって4-1で快勝した。

 対戦した早稲田大は高校選抜の“先輩”MF鍬先祐弥や、高校選抜MF田部井涼主将(前橋育英高)の双子の兄で今冬の高校選手権で活躍したMF田部井悠(前橋育英高)らが先発。高校選抜はまだ連係、判断の遅い部分もあって攻めきる前にボールを失ったり、相手ボールを奪いきれなかった部分もある。それでも狙いとしている連係や個々の良いプレーも出て4-1で快勝。前夜に横浜FMのキャンプから合流したCB生駒仁(鹿児島城西高)とFW町野修斗(履正社高)の2人と、U-19日本代表スペイン遠征帰りの飯島を加えた試合を良い形で終えた。

 4-4-2システムの高校選抜の先発はGKが薄井覇斗(流通経済大柏高)で、4バックは右から後藤田亘輝(前橋育英高)、蓑田広大(青森山田高)、生駒、角田涼太朗(前橋育英高)。中盤は田部井と宮本優太(流通経済大柏高)のダブルボランチで右SH井上怜(市立船橋高)、左SH菊地泰智(流通経済大柏高)。2トップは飯島と町野がコンビを組んだ。

 高校選抜は一度失ったボールを高い位置やサイドで奪い返して速攻を仕掛けたほか、セットプレーからも町野のポストプレーによってチャンス。15分には中央のスペースを鋭く突いた田部井がFKを獲得する。中央右寄りの位置から田部井が直接狙った左足FKは、クロスバーを直撃。この跳ね返りを「(田部井)涼が蹴るので絶対に枠に行くと思っていた」という飯島が、狙い通りに右足で押し込んで先制した。

 前線からの連動した守備でボールを奪いかけながらも取り逃がしてピンチを招くシーンもあった。それでも、田部井、宮本中心に声を掛け合いながら集中力高い守備を継続。また、生駒が加わり、強固さを増した最終ラインも決定打を打たせない。角田の攻撃参加や井上の飛び出しなどからゴールを目指し続けた1本目を1-0で終えた。

 2本目はGK湯沢拓也(前橋育英高)、右SB後藤田、CB嶋中春児(長崎総合科学大附高)、CB石井優輝(昌平高)、左SB佐藤拓海(青森山田高)の4バック、中盤中央に青木と稲見哲行(矢板中央高)、右SH井上、左SH田中、そして荒木と圓道将良(旭川実高)の2トップに変更した。

 2本目はサポートとの距離が遠く、また精度も欠いてしまってなかなか相手の中盤のラインを突破することができない。相手にボールを支配されmその攻撃を受けるような時間が続いた。圓道の抜け出しなどからゴールへ迫るシーンもあったが、全体的に押し込まれる展開。それでも相手のラストパスが入る前に嶋中や石井が身体を投げ出してストップするなど、無失点のまま試合を進める。すると30分、相手DFへのプレッシングからそのままバックパスを追いかけた荒木がGKからボールをインターセプト。荒木はすぐさま反転しながらの右足シュートを決めて2-0とした。

 3本目はGK濱田太郎(初芝橋本高)、右SB嶋中、CB稲見、CB石井、左SB佐藤、中盤中央に青木と田部井、右SH荒木、左SH田中、そして町田と圓道の2トップでスタート。13分に1点を返されたが、直後に右サイドの荒木を起点とした攻撃から青木がスルーパスを通す。そして田中が進学先でもある早大から右足でゴールを奪った。

 15分に田部井を菊地へ、そして20分に町田をCB生駒へスイッチ。相手のメンバーが入れ替わったこともあってか、スペースができる中で攻め続けた高校選抜は、終了間際にもPAへのスルーパスに圓道が飛び込み、最後は右SHへポジションを移していた青木が右足でダメ押し点を奪った。

 田部井が「良いプレーというか、選手の特長が良く出ていると思う」と語っていたが、高校選抜はそれぞれの選手が良さを発揮しながら、チームとして求められるものを表現する回数、時間を徐々に増やしている。田部井は9日夜に選手間ミーティングを実施し、より共有する部分を増やす考え。「積み重ねるのが高校サッカー」というリーダー中心に全員で積み重ね、世界で勝つチームを作り上げていく。

 高校選抜は合宿最終日の10日、「FUJI XEROX SUPER CUP 2018 NEXT GENERATION MATCH」(埼玉)でU-18Jリーグ選抜と対戦。埼スタで勝って、一日一日成長を見せてきた4日間の埼玉合宿を終える。

(取材・文 吉田太郎)
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