beacon

前橋育英FW榎本に変化もたらしたU-18日本代表での「凄い衝撃」

このエントリーをはてなブックマークに追加

前橋育英高のエースFW榎本樹はU-18日本代表での活動を経て変化

[8.26 プリンスリーグ関東第10節 桐光学園高 2-5 前橋育英高 桐光学園高G]

「『凄い衝撃的』で自分にも大きな変化をもたらしたかなと思いますし、今後(年代別日本代表に)呼ばれるようにまた一からやっていきたい」

 前橋育英高のエースFW榎本樹(3年)は2年時のインターハイで得点王を獲得。同年度冬の高校選手権では決勝戦で前橋育英を初の日本一へ導く決勝点を決めた。すでに来季のJクラブ加入も濃厚となっている高体連屈指のストライカーはこの夏、「衝撃的」な差を感じる機会があった。

 榎本はSBSカップ国際ユースサッカーに出場したU-18日本代表に初招集。自身初となる年代別日本代表での活動を経験した。昨年のU-17ワールドカップメンバーやJ1、J2で先発を経験している選手たちとともにプレー。ここで注目ストライカーは多くを学ぶことができたのだという。

「一人ひとりが上手くて、自分が一番下手みたいな状況でした。チームでそういうことはあまりなかったので衝撃的でしたし、一人ひとりの声とかが全然違っていてそこも衝撃的でした。凄く良い経験になったと思います」

 SBSカップは2試合に出場。、前線でボールを収め、決定的なシュートを放つなどできた部分もある。だが、無得点で最終節はベンチ外となった。もちろん、結果も求めていただけに悔しい思いがあるが、「何か盗めればいいと思っていた」という榎本にとっては充実した日々に。U-18日本代表のサポートメンバーを務めた1学年下の桐光学園高FW西川潤からも「一枚も二枚も自分よりも上手だった」「アイツからも凄く学ぶことが多かったです」と素直に学んだことを口にするFWは、これから貪欲に吸収して、いずれ彼らに追いつき、逆転することを目指していく。

 本人はゴールを取り続けることに加えて、自分ができることを増やす必要性も感じている。この日の桐光学園戦は攻撃の組み立てに参加しながらU-18代表で指摘された抜け出しにチャレンジしたり、ヘディングすると見せかけてからの胸トラップでマークを外すプレーも。プレー中の余裕はU-18代表に行ったことで得たもので「余裕は前にはなかったので代表行って良かった」と語る。

 その中で結果も出した。後半31分には榎本の右足シュートのこぼれ球をMF森隼平(3年)が決めて勝ち越し。さらに33分には、森の左ロングスローから「相手も手薄になっていてチャンスかなと思っていた」という榎本が豪快なヘディングシュートで4点目を決めた。

 U-18代表の経験で学んだことを実践し、ゴールも決めて勝利に貢献。「凄い衝撃」で変化し、夢であるプロ入りへ覚悟を決めた注目ストライカーが、そこで活躍するため、さらに貪欲に成長を遂げる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018
●2018高円宮杯プリンスリーグ特集

TOP