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プレミア初昇格、選手権連覇へ再スタートの前橋育英、インハイ準V・桐光学園を5発撃破!

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前橋育英高が5ゴールでインハイ準優勝校を撃破

[8.26 プリンスリーグ関東第10節 桐光学園高 2-5 前橋育英高 桐光学園高G]

 高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2018関東が1か月ぶりに再開。26日には第10節の桐光学園高(神奈川)対前橋育英高(群馬)戦が行われ、前橋育英がFW室井彗佑(3年)の3得点の活躍などによって5-2で快勝した。

 8月のインターハイで初の決勝進出、準優勝した桐光学園に対し、前橋育英は初戦となった2回戦で大津高(熊本)に0-3で敗戦。対象的な結果でインターハイを終えた両校だったが、上位同士による大事なプリンスリーグ再開初戦を制したのは前橋育英の方だった。

 この日3得点の室井は「去年できなかったプレミア参入がまだ自分たちにはあるんで、『絶対にプレミア参入しよう』と言っている」と語り、U-18日本代表FW榎本樹(3年)は「夏は凄く悔しかったんですけれども、どの代も成し遂げていないプレミアに参入するという目標もありますし、選手権も獲りたいのでここからだと思う」と説明する。

 インターハイの初戦敗退から、新たな目標達成へ切り替えて臨んだ一戦。前橋育英は常に先手を取る形で得点した。前半20分、前橋育英は左CKのこぼれ球を室井が押し込もうとするが、桐光学園DFがゴールライン上でクリア。だが、前橋育英は直後の21分、タイミングの良い抜け出しでMF秋山裕紀(3年)のロングパスを受けた室井が、DFのマークを外して右足シュートをゴール右隅に突き刺す。

 対する桐光学園は前半36分、インターハイで大ブレイクした2年生エースFW西川潤が自ら獲得したPKを決めて同点。互いに守備意識高く、切り替え速い攻防戦となったが、前橋育英がよりゴール、ボールを奪うことへの強い意欲を見せ、得意のパスワークに加えて右SB近藤友喜(3年)のロングスローなど迫力ある攻撃も繰り出していた。その前橋育英が前半アディショナルタイムに再びリードを奪う。

 敵陣中央でボールを受けた室井がDFの頭上を通すボールコントロールから落ち際を右足で叩いてファインゴール。前橋育英が喜びを爆発させたのに対し、主力組の油断が2失点に繋がった桐光学園はハーフタイムに鈴木勝大監督から「甘さ」「緩さ」を厳しく指摘されることになった。

 後半6分、桐光学園はスルーパスで左中間を抜け出したMF阿部龍聖(3年)がDFとGKを引きつけて中央へ折り返す。これに走り込んだ西川が左足で仕留めて2-2とした。桐光学園は15分に前橋育英FW石井陽向(3年)の決定的なシュートをDFがゴールラインギリギリで再びクリアすると、直後にこの日縦への鋭い仕掛けを連発していた阿部が縦突破。そしてスルーパスに反応した西川がループシュートを狙ったが、わずかに枠を外れてしまう。

 大勢のJクラブスカウトが見守る中、厳しいマークを振り払って決定機を作り出していた西川だが、この場面では決めることができず、反省。桐光学園は逆転のチャンスを逸したことで自分たちの流れに持ち込めなかった。対して、選手交代で運動量をキープし、攻撃の起点・榎本や秋山をサポートしながら分厚い攻撃を見せる前橋育英は31分、右中間を抜け出した榎本が右足シュート。このこぼれ球を交代出場のMF森隼平(3年)が右足で叩き込んで勝ち越した。

 さらに33分には森の左ロングスローを榎本がダイレクトでのヘディングシュートで豪快に叩き込んで4-2。桐光学園もMF国谷敦史(3年)の右足ミドルなどで反撃したが、GK山口瞬(3年)の好守に阻まれるなど得点を奪い返すことができない。前橋育英はアディショナルタイム、右コーナー付近でのボールキープからゴール方向へ抜け出した室井が左足シュートを突き刺して試合終了。1-3で敗れた前期のリベンジとともに、インターハイの悔しさを一つ晴らす白星を勝ち取った。

 榎本は「一人ひとりの個性は去年よりも上だと思う。そこを出し切れればきょうみたいにたくさん点取れるかなと思う」と語り、山田耕介監督は「まだまだ良くなる」と期待した。これで前橋育英はプリンスリーグ関東で2位浮上。選手権初優勝を果たした昨年と同じステージに立つこと、そして先輩たちが成し遂げていないプレミアリーグ初昇格を活力に、“上州の虎”前橋育英が秋冬の公式戦で勝ち続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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