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[Rookie League]帝京三が前橋育英との直接対決制し、過去最高の2位フィニッシュ!涙の勝利で全国懸けたプレーオフへ!

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帝京三高はMF平野元稀(右)らを中心とした堅守で2位に

[9.1 Rookie League A group第9節 帝京三高 1-0 前橋育英高 時之栖うさぎ島G]

 1日、関東・静岡の強豪校の1年生たちが90分間ゲームのリーグ戦で力を磨く「2018 Rookie League」のA group最終節で2位・帝京三高(山梨)と3位・前橋育英高(群馬)が激突。帝京三が後半終了間際にFW永井裕次郎の決めた決勝点によって1-0で勝ち、2位で全日程を終えた。帝京三はU-16全国交流大会出場(12月)を懸けたプレーオフ決勝戦へ進出。A group3位に浮上した市立船橋高(千葉)とB Group優勝・桐光学園高(神奈川)によって行われる1回戦の勝者と全国出場を懸けて戦う。

 昨年度選手権優勝校・前橋育英を劇的な決勝点で破って2位を死守。試合後には涙する選手もいたという。上位グループのA groupで5位以内に入ったことのなかった帝京三が、前橋育英や市立船橋、静岡学園高(静岡)、矢板中央高(栃木)などの強豪校を上回り、最高成績を大きく更新する2位フィニッシュ。指揮を執った新村知仁コーチは「1年生でこういう経験ができるのは大きい。泣いている姿を見て、こういう経験をさせないといけないと思いましたね」とコメントし、“決勝戦”のような戦いを勝ち切り、素直に喜びを表現する選手たちに目を細めていた。

 前半、入り良く試合を進めた帝京三に対し、前橋育英は後半開始から3人を入れ替えてギアチェンジ。特に多くボールに絡んだMF新井悠太や左足キックに注目のMF熊倉弘貴を中心に、正確かつスピーディーなパスワークを展開した。

 だが、帝京三は新村コーチが「耐えられるようになった」。7月後半から連日Yo-Yoテストを行い、自分たちの走力の成長を確認していたチームは、その運動量と高めてきた球際での強度を活かして相手の攻撃に対抗。経験値豊富な右SB佐野大樹をはじめ、CB及川青空、CB川野泰治、左SB浅田琉星の4バックやGK福島大翔中心にリーグ最少失点のDF陣が得点を許さない。

 奪ったボールは「こういうことができるのかという、予想外のプレーがしたい」と語るMF平野元稀が相手にとって“嫌らしい”ようなプレーを連発。攻撃に緩急をつけながら前進したり、巧みにファウルを誘うボランチを起点にサイドからチャンスを作り返す。

 前橋育英はハイボールなどで安定したプレーを見せていたGK小野関龍成が帝京三FW山岡崇翔の至近距離からのシュートをストップ。逆に左サイドからカットインしたMF熊倉弘達がポスト直撃の右足シュートを放つなど先制点を奪いに行く。

 試合は0-0のまま試合終盤へ。引き分けでも3位以内とプレーオフ進出が決まる帝京三だったが、今月の練習試合で前橋育英に敗れている選手たちは勝利だけを目指していた。「一回、夏に1-4で負けている。引き分けじゃダメ。勝たなければリベンジできない。しっかり勝って終わろうと」(平野)。運動量が落ちた中でも粘り強く戦ったチームの思いが終了間際に結実する。

 帝京三はMF菱山欧佑のインターセプトを起点にサイドへ展開。MF島田善のクロスを交代出場FW永井が頭で決めた。チームメートから練習姿勢を認められている元CBのFW永井の劇的弾によって、帝京三は2位キープ。全国出場を懸けたプレーオフ決勝へ進出した。

 選手たちはインターハイで優勝した山梨学院高からも大いに刺激を受けている。平野は「優勝と聞いてその時点から、ウチはずっとトップも1年生も絶対に夏と冬行かせないと追い込んできた。(1年生チームでは) プレーオフしっかり勝ち切って全国で(優勝した)流経(流通経済大柏高)さんにリベンジして優勝することが目標。絶対、歴史を築きたい」。この日、非常に貴重な経験をした帝京三の1年生たち。Rookie Leagueでの勝利の経験を活かし、彼らは歴史をさらに塗り替えていく。

(取材・文 吉田太郎)
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