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[adidas Festival 2018 in IBARAKI]流経大柏、桐生一に勝利も…本田監督は厳しい表情「非常に残念」

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流通経済大柏高桐生一高を3-1で下した

[9.29 adidas Festival 2018 in IBARAKI 流通経済大柏高3-1桐生一高 RKUフットボールフィールド]

「adidas Festival 2018 in IBARAKI」の2日目が29日、RKUフットボールフィールド(茨城県龍ヶ崎市)で行われ、流通経済大柏高(千葉)と桐生一高(群馬)が対戦。前半3分、同15分に得点を奪った流経大柏が2点のリードを奪うと、同29分に1点を返されながらも、後半26分にDF関川郁万(3年)がダメ押しゴールを奪って3-1の勝利を収めた。

 開始早々の前半3分に試合を動かしたのは流経大柏だった。左サイドでボールを受けたMF芹田悠真(3年)がクロスを送るとファーサイドの関川がヘッドで折り返し、ゴール前で待ち構えるDF藤井海和(1年)がネットを揺らしてスコアを1-0とする。さらに同15分には右サイドを抜群のスピードで駆け上がった芹田のグラウンダーのクロスに走り込んだFW左部開斗(3年)が、ダイレクトで合わせてゴールを陥れ、リードを2点差に広げた。

 だが、ここから流れが一変する。流経大柏を率いる本田裕一郎監督が「前、前に進んだ結果、点を取れたシーン“だけ”は良かった」と振り返ったように、流れを引き寄せたのは2点のビハインドを背負った桐生一だった。

 センターフォワードの位置に入ったFW小池泰誠(3年)が巧みにボールを呼び込み、左右のスペースに展開。右のFW松下駿也(3年)、MF熊谷広夢(3年)、左のFW小澤謙登(3年)、MF細渕海(3年)らが幾度となく敵陣深くまでボールを運ぶ。さらにシンプルな裏へのボールからゴールに迫ると、前半29分には小池のスルーパスから完全に抜け出した松下がGK松原颯汰(1年)との1対1を制してネットを揺らし、1点差に詰め寄った。

 流経大柏にとって悪い流れが続いたが、本田監督はその要因として「出足の遅れ」を挙げた。2トップの左部とFW森山一斗(1年)がボールホルダーにプレッシャーを掛け、桐生一の選手にボールを蹴らせる場面こそ多かったが、「その次の選手の出足が一歩遅れているため、ボールを取れなかった」と球際での勝負で後手に回り、桐生一に主導権を明け渡すことになった。

 後半に入ると、「相手の40番(小池)が動き回るタイプだったので、岡本をマンマーク気味につかせて、自分が一つ下がってカバーに回った」との関川の言葉通り、攻撃の組み立てに多く関与していた小池をDF岡本竜(3年)が監視下に置き、その後方に関川が構えたことで守備が安定。裏のスペースを使われそうになっても、いち早く反応する関川が相手攻撃を寸断し続ける。すると後半26分、流れを引き戻しつつあった流経柏が追加点を奪取。左サイドから左部が送ったグラウンダーのクロスを、PA内でフリーで受けた関川が冷静にゴールを陥れてリードを再び2点差に広げた。

 その後は反撃に出る桐生一が積極的にゴールを狙うも、流経大柏が逃げ切って3-1の勝利を収めた。だが、立ち上がりの得点シーンこそ「良かった」と語る本田監督は「残念。非常に残念。内容としてはダメだった」と続け、攻守両面で多くの課題を残したことに厳しい表情を見せた。

 今年度の全国高校総体では、千葉県予選の準決勝で習志野高に敗れて全国の道を断たれた。「ウチは千葉で楽勝なチームではない。上のチームがいて、そこを叩かなければいけない立場。そこを倒せなければ全国へはいけない」ことを指揮官は強調。だが、「しかし今、絶好調だと調子に乗って予選に入ってしまう。むしろ『ダメだな』とあがいていた方が意外と成功する確率は高いし、予選までの時間での伸びしろもある」と教え子たちの奮起に期待を寄せる。

 昨年度の高校選手権で準優勝となったチームの千葉県予選初戦は、10月27日もしくは28日に行われる。約1か月と限られた時間の中でさらなる成長を遂げ、“戦いの場”に向かいたいところだ。

(取材・文 折戸岳彦)
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