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魂の守りと声。鹿島ユース右SB結城が9戦連発中の相手エースにゴール許さず

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鹿島アントラーズユースの右SB結城将貴(左)は青森山田高のU-18日本代表MF檀崎竜孔主将に得点を許さなかった

[11.25 高円宮杯プレミアリーグEAST第16節 青森山田高 1-1 鹿島ユース 青森山田高G]

「自分のマーカーは檀崎竜孔選手なんですけれども、ホームの時、それ以外あまり目立った仕事していなくても最後に仕事されてしまったので、『最後コイツだけは点獲らせない』という気持ちでプレーしていました」

 鹿島アントラーズユースの右SB結城将貴(3年)がこの日マッチアップした相手は青森山田高のU-18日本代表MF檀崎竜孔主将(3年、札幌内定)。プレミアリーグEASTで9試合連続得点中のエースだった。7月のホームゲームでは前半34分に1タッチシュートで同点ゴールを許している相手。結果は前回の対戦時と同じドローとなったが、結城は檀崎に得点を許さず、その連続得点をストップした。

「スピードに乗ったら止められない時もある」という相手に対し、結城は彼にボールを入れさせないこと、また後ろ向きの状態でボールを受けた際に距離を一歩でも詰めることを意識。自分がより良い準備をして対応することを心掛けてプレーした。

 自分の背後を突かれたシーンや檀崎に仕掛け、クロスを上げられるシーンもあった。また、チームは後半終了間際に追いつかれて悔しい引き分け。だが、「結果的に1失点してしまったんですけれども、どんなに頑張っていても失点してしまうことはありますし、それをどれだけ少なくするか意識していた」という結城は後半に檀崎の左足シュートを頭で跳ね返したり、身体を投げ出してシュートをブロックするなど勝ち点1獲得に大きく貢献した。

 檀崎封じについては「チームの全体で守備してくれたので自分だけではない」と謙遜。それでも、鹿島イレブンの中で特に気持ちを表現して戦っていた彼のプレーは印象的だった。主将のMF前田泰良(3年)も「気迫や対人のところはチームのプラスになっていて助かりました」と感謝。下級生時から試合に出てきたSBは影響を与えるような動きでチームを引っ張っている。

「自分、1、2年生から試合に出させてもらっていて経験も多くさせてもらっているので、何かしらでチームに恩返ししたいという思いがあります。自分ができることと言ったら声出すことだったり、ちょっとした声がけでもチームは変わりますし、滑ってシュートを止めて喜んだりすることでチームの士気も上がると思うので、意識しています」。

 首位を快走する鹿島ユースだが、上手くいかないことももちろんある。残り2試合や優勝チームが出場するプレミアリーグファイナルで経験豊富なSBは声、プレーチームを盛り上げ、落ち着かせることを意識。そして、チームメートたちと白星を重ねてタイトル獲得を喜ぶ。
 
(取材・文 吉田太郎)
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