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[関東大会予選]J1練習参加の昌平MF大和は抜群の存在感も…。攻守の課題指摘し、自身は「試合を決められる選手に」

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昌平高の注目MF大和海里は抜群の存在感を示していたが…

[4.14 関東大会埼玉県予選2回戦 昌平高 2-3(延長)埼玉栄高 昌平高G]

 2月の埼玉県新人戦で全4試合3得点以上(計25得点)、無失点で優勝している昌平高は、まさかの早期敗退となった。前日の1回戦は大量18得点を奪って18-1で大勝。この試合も多くの時間でボールを支配し、中央、サイドから攻撃を繰り出したが、延長戦で競り負けた。

 埼玉栄高は中央の守りを固め、昌平が高い位置でボールを動かしても奪いに来ていなかった。それでも縦パスのコースを消し、相手が侵入してきたところで人数をかけてボール奪取。昌平のキャプテンマークを巻いた注目MF大和海里(3年)は「自分たちの技術を出すべきところで自分たちの力を出せなかった。得点できなかったこともそうですけれども、守備のところは失点しないことに目を向けていきたい。試合の雰囲気やゲームの時間帯とかも考えられるチームになっていきたい」。日本高校選抜MF須藤直輝(2年)が負傷交代する中、相手の守りを十分に攻略できなかった。ゲーム主将はそれ以上に、2試合で計4失点した守備面や、状況によってゲームコントロールできなかった部分を問題視していた。

 大和はこの日、最も存在感を示した選手だ。「相手の嫌なところを突くところや嫌なプレーを選択できることが持ち味だと思う」というMFは切れ味十分のドリブル、パスで相手の裏を何度も取りに行っていた。

 特にドリブルは1人や2人のDFでは止まらなかった印象だ。一瞬のスピードでDFの前に入り、置き去りにしてしまう。トップ下の位置から仕掛けるたびに大きく前進。だが、周囲が彼に頼ってしまった部分があったか、サポートの動きが少なく、3人目のDFなどに取られるシーンが増えてしまう。

 後半開始直後にはクロスのこぼれにフリーで反応したがシュートは枠上。また、本人は序盤にイエローカードを受けてしまったことで強くプレッシャーに行けず、チームに迷惑をかけてしまったことを反省していた。

 現在、彼が目指す選手像は「試合を決められる選手」だ。広島に練習参加し、1対1など自信を持っている武器が通用することを知った。先輩選手の助言もあって思い切り自分の強みを出して、手応えを得て昌平に戻ってきている。一方でプロ選手と高校生とのボールを止める、蹴る、そして決定力の差を痛感。「あそこ(広島)にいる選手は、試合を決めれる選手なので自分もそうなりたい」と意識を高めている。

 プロの厳しい環境を学べたことは必ず今後のプラスになる。昌平の先輩であるMF松本泰志や他の選手たちから話を聞き、自身、チームのお手本になる選手、クラブの雰囲気を体感してきた。そして、自分が目指すものを再確認。「この一年間、誰よりも結果にこだわって意識してやりたい」。結果を残して、チームを勝たせて、自身もアピールしていく。

 チームとしてもインターハイ予選へ向けて気を引き締め直して再スタートする。埼玉5冠を達成した一昨年、またインターハイで全国4強へ進出した昨年の「勝つ雰囲気」を知る大和は、その雰囲気を持つチームにすることも意識しながら日々成長を目指す。

(取材・文 吉田太郎)

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