beacon

名門・藤枝東のアンカー務める1年生MF前島、期待に「応えたいなという気持ちはあります」

このエントリーをはてなブックマークに追加

藤枝東高期待の1年生MF前島陵汰

[8.24 プリンスリーグ東海第11節 清水桜が丘高 3-0 藤枝東高 清水総合]

 選手権優勝4回の名門・藤枝東高のアンカーのポジションを1年生が務めている。MF前島陵汰(1年)は系列組織の藤枝東FCジュニアユース出身の技巧派。インターハイ予選後から出場機会を伸ばし、先発に定着した前島はプリンスリーグ東海再開初戦の清水桜が丘高戦もアンカーの位置で先発フル出場した。

 その前島に対して、小林公平監督がボールを引き出すことを求める声は前半から試合終了まで続いた。指揮官が「そこで受けるの?というところでも受けるタイプ」と評するMFは普段、強敵相手でも臆することなくプレーできているという。だが、この日は大胆さを欠き、ボールを引き出す回数も十分に増やすことができなかった印象だ。

 前島にとって、アンカーは絶対にボールを失ってはならないポジションという認識だ。それだけに、本人は頭の中で考えながら最良の形でボールを動かそうとしているが、まだまだ迷うことが多く、チームを停滞させてしまうこともある。この日は当たりの強い清水桜が丘に攻守両面で苦戦。それでもトラップ、パスなど技術力の高さも感じさせるプレーを見せていた。

 小林監督は藤枝東OBで、ドイツでもプレーした経歴を持つ元日本代表MF山田大記(現磐田)の高校時代と前島の姿を重ねる。前島も重圧の中でコーチ陣やチームメートからの期待を感じており、「期待されていることは凄く嬉しいことだし、やっぱりそれに応えたいなという気持ちはあります」と言い切った。

 そして、「アンカーというポジションでチームを作るところなので、自信を持って、自分がボールを受けてチャンスを作ったり、ボールを回したりしてゲームを作っていきたい」と意気込んだ。フィジカル面だけでなく、技術、判断のスピード、精度もまだまだ磨いていかなければならない。上級生の中で成長し、必ず結果に繋げること。少しずつ存在感を放ち始めている新鋭が、藤枝東のパススタイルの中心となってその勝利に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)
●高円宮杯プリンスリーグ2019特集

TOP