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名古屋内定CB吉田晃だけじゃない。福岡制覇狙う九国大付は右SB稗田凌太主将ら他にも好素材

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九州国際大付高の快足SB稗田凌太主将

[9.25 プリンスリーグ九州第14節 九州国際大付高 3-3 長崎総合科学大附高 九州国際大G]

 名古屋内定を決めた大型CB吉田晃(3年)に注目が集まるが、今年の九州国際大付高は彼だけのチームではない。コンビを組むCB花田周勇(3年)も関西の強豪大学へ進学予定で技巧派FW森永将斗(3年)やMF阿比留将栄(3年)、MF高月海(3年)ら攻守に特長のある選手が多い。

 この日、特に光ったのが右の快足SB稗田凌太主将(3年)だ。前半からそのスピードを活かしてグイグイと攻め上がり、クロスやコンビネーションからの崩しにチャレンジ。後半には長崎総合科学大附高のプレスがやや甘いと見るや、一瞬の加速で相手選手3人、4人を置き去りにして自陣PA付近から敵陣中央まで持ち上がり、逆サイドでフリーの選手にパスを通して見せた。

「体力に自信があるのと、後半相手が体力が落ちるのでそこで自分がスピードを落とさずに行けるのが持ち味だと思っています」。抜群のスピードに加え、とスプリント力、体力も兼ね備えている。

 江藤謙一監督も「十分フィジカル的にも上で通用する」と太鼓判を押す高速SB。一方で指揮官が「突破した後がない。もっともっとやらないといけない」と語るように、クロスの精度やシュートが課題となっている。この日も試合終了間際にPAでDFのマークを外すまではいったが、シュートは相手に当たってポストの外へ。決めていれば劇的な決勝点だっただけに本人も悔しがっていた。

「背が低いので空中戦はあんまり得意じゃないんですけれども、スプリントを増やしてアシストとかで活躍したい。(突破した後の)バリエーションを増やしたい」。稗田と左SB宮本武(3年)の両SBの攻め上がり、スピードは今年の九国大付の武器の一つ。稗田はより、できることを増やして冬に挑む。

 今年はインターハイ予選決勝で王者・東福岡高にPK戦の末に敗退。自信になった一方でそのわずかの差を埋めて上回るという必要性を感じてきた。チームリーダーでもある稗田は「選手権では延長戦とか入らず、トドメを刺して終わらせようと思っています」と宣言。例年以上の選手層を持つ九国大付が個々でも強敵に対抗して、今年こそ上回る。

(取材・文 吉田太郎)
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