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[adidas Festival 2019]流通経済大柏高が頂点に!!「全国制覇を目指すため戦っておくべき」桐生一との大接戦制す

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[9.29 adidas Festival 2019 Div1決勝 流通経済大柏高2-2(PK4-3)桐生一高 RKUフットボールフィールド]

 『adidas Festival 2019』は9月29日、茨城県龍ケ崎市のRKUフットボールフィールドでDivision-1の決勝戦を行い、流通経済大柏高(千葉)と桐生一高(群馬)が対戦した。互いに点を取り合った熱戦は規定の80分間を2-2で終え、勝負の行方はPK戦に。最後はGK佐藤藍大(3年)が2本を止めた流経大柏高が4-3で勝利し、王座に輝いた。

 4チーム総当りのグループリーグを2日間かけて行い、A組を桐生一高、B組を流経大柏高が制覇。共に県を代表するチーム同士が決勝に進出し、Division1の頂点をかけて激突した。

 先に主導権を握ったのは桐生一。アグレッシブなプレッシングをかけてくる相手に対し、ボランチのMF落合遥斗(2年)が中盤を自在に動き回り、巧みにボールを引き出す場面が目立った。一方の流経大柏は本田裕一郎監督から「1タッチでプレーするように」との指示。縦に早くボールを入れることで、リスク管理を徹底する狙いが見られた。

 すると桐生一は前半16分、早くも試合を動かした。落合がキッカーを務めるセットプレーから徐々に得点のムードを高めると、MF上野山信也(3年)の縦パスを起点にMF須藤礼智(3年)がタメをつくってスルーパスを送り、反応したのは再び上野山。シュートはGK佐藤が防いだかと思われたが、ボールはゴールラインを越えて得点が認められた。

 MF大西悠介(3年)とMF藤井海和(2年)の注目ボランチが構える中央を崩され失点した流経大柏は前半の飲水タイム、さらにタッチ数を少なくする狙いを共有。その後は徐々に勢いを増していき、大西の縦パスが猛威を奮って戦況を一変させた。前半33分には大西の惜しいミドルシュートもあった。

 すると前半34分、流経大柏は藤井がドリブルで相手をはがしたところから攻撃をスタート。スルーパスにFW森山一斗(2年)が抜けると、GK近藤秀吉(3年)の股を抜くシュートを流し込み、待望の同点ゴールが入った。さらに35分、焦った桐生一の攻撃をひっくり返したカウンターから再び森山が裏に抜け、ラストパスをDF伊藤勇輝(3年)が決めて一気に逆転に成功した。

 ビハインドを負った桐生一は後半スタート時、最初の交代カードを使ってMF金沢康太(1年)に代わってMF田中陸翔(2年)を投入。すると勢いよく試合に入った流経大柏をいなせる場面が増え、後半10分には須藤を起点としたカウンターから上野山、落合を経由し、MF寳船月斗(1年)の惜しいシュートも見られた。

 負けじと流経大柏は後半12分、カウンターから大西が縦パスでスイッチを入れると、そこからの突破で相手のハンドを誘ってPKを獲得。ところが14分、大西が自らゴール左を狙ったキックはゴールポストに阻まれ、得点の絶好機を逃してしまった。さらに16分、森山のパスを受けた大西の右足シュートはまたも左ポストに当たった。

 すると流れは変わるもの。粘り強く戦う桐生一は後半25分、巧みに中央を崩したカウンターから左サイド攻撃につなげると、上野山のスルーパスに抜け出した須藤がクロスを送り、これが相手のオウンゴールを誘って得点に。さらに26分、MF遠藤青空(3年)の縦パスからMF竹下諒(3年)が惜しいクロスを供給するなど、試合を優位に導いた。

 そして終盤は一進一退の攻防。流経大柏は後半28分、FW橋本清太郎(1年)の折り返しに反応した大西のシュートは左に外れると、31分に桐生一は途中出場MF関根大就(1年)とFW山本直(3年)の崩しからビッグチャンスを創出。流経大柏は34分、大西のシュートは今度はGKに阻まれた。そのまま規定の80分間はタイムアップ。勝負の行方はPK戦に委ねられた。

 先攻は桐生一。最初の2人が連続で成功すると、流経大柏は2人目のキックがGK近藤に阻まれる。ところがここで魅せたのが流経大柏のGK佐藤。相手3人目、4人目のキックを立て続けに止め、戦況を一変させた。流経大柏はその後、キッカーが冷静さを貫くと、最後はDF山尾永遠(3年)のキックがGKに触れられながらもネットを揺らし、覇権を争う大熱戦に決着をつけた。

 試合後、この一戦をベンチから見守っていた流経大柏のMF八木滉史主将(3年)は「桐生一高は名前があって知っているチームなので、僕たちが目標とする全国制覇を目指すためには戦っておくべきトップクラスの相手。勝てる展開で失点をしてしまって課題は出たが、結果的には勝ち切れたことが良かった」とチームメートの奮闘をたたえた。

 またタッチ数を少なくする狙いについても「ボールを全てダイレクトでつなげる視野を持っておくという頭の回転を速くするトレーニングも兼ねていた」と明かし、「入り方が悪かったけど、シンプルに少ない形でやろうとなってからはいい形でできた。収穫が見つかった」と手応えを感じている様子だった。

 11月4日に初戦を迎える高校選手権予選まで残り約1か月。「大きな目標は日本一というのがあるが、千葉県予選は何があるか分からない。しっかり1回戦から大事にして、勝利を積み重ねていって、最後また決勝の舞台で勝てれば」(八木)。2年続けて全国決勝で涙をのんできた千葉の強豪校が最後の冬を前に大きな栄誉を手に入れた。

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(取材・文 竹内達也)

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