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プレミア&プリンス“臨時方式”も示唆…反町技術委員長「真剣勝負の中で成長を」

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昨季優勝の青森山田高

 日本サッカー協会(JFA)は21日、本年度初回の技術委員会をウェブ上で開催した。終了後、新たに技術委員長に就任した反町康治氏が報道陣向けのオンラインブリーフィングを実施。全国各地で活動が停止している育成年代の対策について「真剣勝負の中で成長をしてもらいたい」と思いを語った。

 反町氏は3月29日、日本サッカー界の現場トップにあたる技術委員長に正式就任。新型コロナウイルスの感染拡大による自宅待機が続く中、5月7日には次のようなメッセージを公式サイトを通じて送っていた。

「好きなサッカーをすることが出来ない、またそういった子供達、選手達を指導することが出来ない現状にフラストレーションがたまっていることでしょう。さらにそれぞれの地域の町クラブの経営状態もひっ迫していると聞いております。日本サッカー協会はこうしたクラブに対して支援事業をするべく動いています。ですから遠慮なく手を上げていただきたいと思っております」。

「こうした状況下で私が特に心配しているのは、サッカーが大好きな子供達やそれを見守る指導者達がサッカー離れをしてしまうことです。外で思いっきりボールを蹴ることが出来ない、チームで活動することが出来ない、そのことによってサッカーに対して興味を失ってしまうことです。私はこうした状況のためにサッカーを決して諦めて欲しくはないのです。サッカー好きの子供達は夢や希望をもってサッカーを続けて欲しい」。

「子供達は数年後に日本代表のブルーのユニフォームを着て大観衆の中でプレーする可能性を秘めています。またそれを見守る指導者達も是非そうした子供達にロジック(論理)とパッション(情熱)をもって指導を続けて欲しいと強く願っています。サッカーを諦めず、今は辛抱と捉え新型コロナウイルスとの戦いに共に挑みましょう」。

 あれから半月が過ぎ、徐々にサッカー活動再開の期待も高まってきたこの日、反町氏は育成年代のプレー環境整備への意欲を語った。高円宮杯プレミアリーグ、プリンスリーグは「9月から状況によって開催できると見越している」とし、安全に試合が実施できるように方式変更の可能性にも言及した。

「大会形式とかやり方はその時期になってみないとわからないが、真剣勝負の中で成長をしてもらいたい」。そう説明した反町氏は「状況次第ではプレミアリーグで青森山田が関東に来るなど、移動のリスクがあると考えているので、大会の形式を変えた中で、なるべく同等のチームと競争しあう大会を考えて話を振っているところ」と現状の見通しを明かした。

 また育成年代の活動が止まっていることを受けて、現在は世代別代表の活動もストップしている状況にある。本来であれば今年はU-17W杯予選のU-16アジア選手権が9月、U-20W杯の予選にあたるU-19アジア選手権が10月に行われる予定だった。しかし、主催するアジアサッカー連盟(AFC)から公式な開催情報は出てきていない。

「AFCがどうかわからないが、代表カテゴリとして準備していきたい」と意気込みを語った反町氏は「学校単位で動くこともできない、クラブ単位でも活動ができていない制約がある中、どうやってやっていくかはすごく大変」と心境を吐露。「たとえば(U-16の)森山監督は対象の選手に映像を送って、家でできるトレーニングをやってくれている。緊急事態宣言が解除されてきて動きやすくなった時にどれだけ準備できているかと思うので、ちゃんとしたアンテナを貼って準備することが大事」と先を見据えた。

(取材・文 竹内達也)

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