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[和倉ユース]大会中に学び、改善して成長。履正社が青森山田との決勝へ

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履正社高MF赤井瞭太主将はダブルボランチを組むMF平岡大陽とともに気迫の攻守を続けて勝利に貢献

[8.4 和倉ユース大会準決勝 履正社高 2-1 山口U-18 和倉多目的G(Aコート)]

 4日午後、第8回和倉ユースサッカー大会2020準決勝が行われ、履正社高(大阪)が2-1でレノファ山口FC U-18(山口)に勝利。履正社は5日の決勝で青森山田高(青森)と戦う。

 履正社が青森山田と再戦する権利を勝ち取った。前半14分、右サイドから左へボールを展開すると、ドリブルで中へ持ち込んだMF井谷洸一郎(3年)がDFを引きつけて足裏パス。相手の守りがズレたところへ左SB寺本悠晟(3年)が豪快な左足シュートを打ち込む。平野直樹監督が「スペースがないところでスペースを作る。カットインで横ずれさせて、イメージ通り」というゴールで先制した。

 だが、山口U-18も18分、MF原⽥幹太(1年)の左CKをFW光永⼤晟(2年)が頭で合わせて同点に追いつく。また、GK清⽔太⼀(3年)がシュート反応の良さを発揮していたほか、CB⼤出⽂哉(3年)が気持ちのこもったタックルを見せるなど、決勝進出への意欲を体現していた。

 それでも、予選リーグから明らかに気迫の部分での変化が見える履正社が勝ち越す。「僕がやらないと周りもついてこないと思うので、そこはしっかりと戦いたいと思います」と語るMF赤井瞭太主将(3年)とMF平岡大陽(3年、湘南内定)のダブルボランチが背中でチームを牽引。前線の選手が相手MF柳井敦志(3年)に対して献身的な寄せを続けてパスコースを限定したこともあり、赤井と平岡が狙い澄ました守備でボールを奪い取って行く。

「僕と大陽のところでしっかりと潰そうということは試合前から話していたので、しっかりと潰せたかなと」と赤井。セットプレーによる不用意な失点こそあったものの、履正社は相手に思うような攻撃をさせなかった。

 そして22分、履正社はFW李晃輝(3年)が前線で粘ってFKを獲得。ボールの位置には、8分前にスーパーミドルを決めたレフティー・寺本と右利きの技巧派MF後藤晴海(3年)が立っていた。相手が寺本のキックを警戒する中、助走を切った後藤がクロスバーの下側を叩く右足シュートを決めて2-1。山口U-18のFW杉村駿介(3年)の折り返しから原にシュートを許すシーンもあったが、リードしたまま前半を折り返した。

 後半、山口U-18はメンバー交代でMF松原翔太(3年)やFW上村音生(1年)を投入。フレッシュな松原が繰り返し右サイドを突くなど同点を目指す。4日間で5試合目。両チームともに体力面で厳しい戦いとなったが、互いに失速することなく戦い続けた。

 特に履正社は、序盤に受け身な試合をして敗れた青森山田高戦での反省から学んだ部分を示す。赤井は「山田に負けてから向こうの気迫も感じましたし、このままだったらまだまだ足りないということも全員が悔しさとかを感じているので、また、今日勝てば明日の決勝は山田が決まっていたので、そういう意味ではかなり強い気持ちを持っていたと思います」と微笑む。

 今大会で攻撃力を示してきた山口U-18にサイド深くまで持ち込まれても赤井、平岡をはじめ、CB舩田陸人(3年)とCB李泰河(3年)を中心としたDF陣も身体を張り続けて決定打を打たせない。守りに入ることなく、試合を通してアグレッシブに戦った履正社が、2-1で競り勝った。

 今大会の履正社は勝ち切れない試合もあったが、平岡は「ジェフ(千葉U-18)戦では僕がへばって交代してしまったけれど、全員で爆発して(予選リーグ突破へ必要な)4点取れた。強さが出てきている」と頷く。連戦の中で課題を改善しながらチームとして成長中。あと1試合、青森山田にリベンジして大会を終えることができるか。

 平岡は「(予選リーグでは)立ち上がりの2発でやられてしまっている。結局相手の良さを出させてしまっているので、しっかりと立ち上がりから行って走りたいです。山田にはいつも僅差でやられている。僅差で負けているから力の差だと思うので(ひっくり返せるように)頑張りたいです」と誓った。新型コロナウイルス感染拡大の影響でインターハイが中止となった中、貴重な夏のトーナメント戦。平野監督が「(選手たちは)楽しみにしているんじゃないですか」と語っていたが、履正社はインターハイ決勝のつもりで青森山田戦を戦い、5日間の熱戦を制す。

履正社高の湘南内定MF平岡大陽は好守を連発


(取材・文 吉田太郎)
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