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[MOM3209]浜松開誠館MF岡部直弥(3年)_主将2年目のアンカー、チームに“3人いて欲しい” 選手

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浜松開誠館高の中盤で奮闘し、リーダーシップも発揮したMF岡部直弥主将

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.12 スーパープリンスリーグ東海第2節 浜松開誠館高 1-1 JFAアカデミー福島U-18 浜松開誠館総合G] 

 浜松開誠館高の青嶋文明監督はMF岡部直弥主将(3年)について、「(中央にいることによって)指示が出せるんですよね。指示が出せて、こちらの指示も理解してくれる。1チームで3人いて欲しい、しっかりしている選手の一人です」と称賛する。

 1年時から全国を経験している岡部はCBが本職だが、登録身長が175cmということもあり、青嶋監督は将来のためにアンカーへコンバート。岡部が抜けた最終ラインはまだ攻落ち着かないものの、指揮官は彼のプレーについて「切れずにやってくれています」と評価する。この日も、彼の献身性が浜松開誠館を支えていた。

「そういうところ(献身的に続けること)が良さだと思う」と自己分析する岡部は、「(今日は)自分とDFラインの間のスペースを埋めるというか、制圧しないといけないので、後ろも前も気にしながらということは意識していました」と振り返る。

 守備時は自分の背後のスペースを消しつつ、球際では強度の高いプレー。ボール奪取力の高さを示していた。そして、攻撃面でも丁寧にビルドアップに絡み続けて起点に。同点に追いつかれた後半半ば以降は繋ぎ役になることができず、チーム全体で押し込まれてしまった。それでもピッチ内で指示を飛ばし、相手の狙いを阻む岡部中心に浜松開誠館は我慢強く凌ぎ切った。

 岡部は昨年から強豪・浜松開誠館でキャプテンマークを巻いている選手だ。昨年は当初、3年生の2人とともに主将3人体勢。だが、後期からはキャプテンマークを任されることになったという。「3年生が巻いている時でも(青嶋監督から)『オマエ、やんなきゃダメだよ』とか、『3年生に任す時点でオマエの器は小せえな』みたいに言われていたので。たとえ巻いていなくてもキャプテンらしいことをしないといけないと」意識していた。その岡部は上級生の中に入ってもチームを引っ張る力を示し、今年はより堂々とチームリーダーとしての役割を果たしている。

 本人も自身の成長を実感していた。「(キャプテンとして)チームを勝たせるためのプレーや働きかけをしていかないといけない。結構ピッチ外のところは楽しくやっているだけなので。でも、ピッチ内の立ち振舞とかは、去年より全然成長したのかなと感じます」。今年は指揮官から“弱い”と指摘され続けている世代。それでも、岡部は「昨年以上にやらないといけない」と仲間の表情や性格を見ながら言葉を掛け、前を向かせようとしている。リベンジの舞台となる選手権予選(昨年は準決勝で静岡学園高に敗戦)まであとわずか。チームメートとともに、必ず開誠館を「強いチーム」へ変え、再び全国のピッチに立つ。

(取材・文 吉田太郎)
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