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「山梨で一番速い男」から市船の高速SBへ。DF長田の目標は先輩の湘南DF超え

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市立船橋高の右サイドで抜群のスピードを発揮するDF長田京兵

[9.27 プレミアリーグ関東第3節 市立船橋高 0-0 FC東京U-18 グラスポ]

 中学時代「山梨で一番速い男」に輝いた長田京兵(3年)が現在、名門・市立船橋高サッカー部の右サイドでその走力を発揮している。

 長田はこの日、右WBとして先発フル出場。そのスピードを活かしてFC東京U-18のDF網へ切れ込み、FKを獲得するなど奮闘した。守備ではマッチアップした強力MF角昂志郎(3年)に苦戦しながらも、同サイドのMF八木智哉(3年)と連動した守備。幾度か攻略されそうになりながらも粘り強い対応でゴールから遠ざけていた。

 また、後半30分には角の決定的なシュートをゴールライン手前でブロック。加えて、「1試合通して走り負けだけは絶対にしないように心掛けていて。体力とか、そういう部分では対等にやれるんじゃないかなと思っていました」という長田は試合最終盤に右サイドでスプリントを連発し、クロスまで持ち込んでいた。

 長田のストロングポイントは走力だ。山梨県出身で鰍沢中時代はフォルトゥナU-15に所属。その一方、陸上競技の800m走で山梨県チャンピオンに輝いている。「自分、本当小さい学校の出身で、全校生徒50人いないくらいの。それで(陸上の大会に)学校から何人か出ないといけない。で、地区大会出てみたら1位になっちゃって。そのまま県大会でも」。2年男子800走で山梨県大会を制した長田は、翌年の共通男子800m走でも優勝。関東大会に出場している。

 キレイなランニングフォームで走る要因は当時、陸上競技の強化選手として指導を受けていた経験があるから。高校進学時は陸上競技でも誘いを受けていたという。だが、長田は当初からサッカー一本の考え。SBの走力を求められる市立船橋で自分のストロングポイントを発揮するため、選手権で活躍するために千葉の名門へ進学した。

 目標は1学年上の逸材DFだ。「1年生の時から大雅を見てきて、憧れていました」。市立船橋時代にU-17日本代表のSBとしてU-17ワールドカップに出場し、今年湘南へ進んだDF畑大雅の背中を追っかけてきた。先輩は圧倒的なスピードと攻撃力、対人の強さがウリ。それに対して50m走5秒8と短距離も得意とする長田は、「越えたいですね。もっと守備の部分だったり、競り合いだったり、大雅の苦手な部分を自分が得意にできればと思います」と意気込んでいる。

 昨年は選手権予選準決勝でわずかながらもピッチに立った。今年は主力として選手権のピッチを駆け回るという目標がある。「自分が中心となって、チームを勝たせられたらなと思います」。まだまだ課題も多いが、スペシャルな武器も持つ長田が誰よりも走って市船に白星をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
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