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攻守に奮闘して優勝貢献も「もっとやりたかった」。静学のU-16代表MF高橋はより進化して世界へ

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静岡学園高のU-16日本代表MF高橋隆大はアジア連覇を誓う

[12.21 ミズノチャンピオンシップU-16決勝 藤枝東高 1-3 静岡学園高 時之栖うさぎ島G]

「アシストはちょこちょこはあったと思うんですけれども、ゴールは(5試合で)1点しかなかったので、もうちょっと決めたかったです。結果の面では全然納得いかへん大会やったから、自分の中ではもっと決定力を上げて。それは自分に求められていることやから」

「2020 ミズノチャンピオンシップU-16」を制し、静岡学園高のU-16日本代表MF高橋隆大(1年)は誰よりも喜んでいるように映った。チームとして結果が出たことはもちろん嬉しい。だが、満足はしていなかった。

 今大会は誰よりも厳しいマークを受けていた。決勝も「みんなからも『隆大のところは常に2、3人来ている』と言われて。一人が常にマンマーク気味に来ていた」という状況でのプレー。その中でゲームメークし、得意のドリブルで相手をかわしてゴールへ迫った。そしてPAでの決定的なシュートや豪快なミドルシュートも。「やらないとやられるなと感じていたので、疲れているなりにやっていました」という守備面にも精力的に取り組んでいた。

 優勝に貢献したことは間違いない。だが、「それでももっとやりたかった」。今年はU-16日本代表に初招集され、Aチームでの公式戦も経験。より厳しい環境でプレーしてきた自負がある。「(対戦相手は)代表選手やから『こいつ止めたら代表入れる』という気持ちで来ている子もいると思う。その中でも当たり前にやらないといけないと思う」。求めるものは高い。

 テクニカルな選手揃う静岡学園の中でも「(テクニックを)実践的にどう使うか。それは誰にも負けていないと思っている」と高橋。G大阪ジュニアユースで10番を背負い、日本一を経験した高橋は、個性の育成に特化する静岡学園でまた自分を成長させられていることを実感している。これまで年代別日本代表に入ることができなかった悔しさをぶつけることもできた一年だった。

 だが、目標にしていた選手権出場は叶わず。U-16日本代表のチームメートで選手権に出場するFW福田師王とMF大迫塁(ともに神村学園高1年)に「オマエらやってくれ」と託したという。思い描いた通りに行かないことはまだまだある。より多くの勝利を手にするために、試合を決定づけるような力を身に付けなければならない。

 より成長して世界へ。高橋は来春、U-17ワールドカップを懸けたAFC U-16選手権に出場することが有力だ。「負けて帰れへんし、絶対にワールドカップの切符をゲットしてなおかつ優勝して2連覇というところまではチームとして向いている。結果を残してみんなで世界へ行きたいと高まっている」。選手権が開催されている期間も自分に目を向け、短い期間でも必ず進化を果たして来年、静岡学園や年代別日本代表に多くの白星をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)

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