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後半の2ゴールで逆転勝ち。県3冠を目指す岡山学芸館が一つめのタイトルへ王手:岡山

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岡山学芸館高は逆転勝ちで決勝進出

[2.6 岡山県高校新人大会準決勝 岡山学芸館高 2-1 倉敷高]

 第13回岡山県高校サッカー新人大会の準決勝が6日に行われ、岡山学芸館高と倉敷高が対戦。途中出場のFW山岡亮太(2年)が2ゴールを奪った岡山学芸館が2-1で逆転勝ちをおさめ、決勝進出を決めた。

 2校による対戦は、昨年10月の選手権予選ベスト16以来。この時は岡山学芸館が3-0で快勝したが、この日の対戦では違う展開となった。「ベスト4まで来るのは初めて。絶対に優勝するんだという気持ちが強かった」と振り返るDF岡田力樹(2年)を中心に、昨年の悔しさを知る選手が8人も残る倉敷が序盤から主導権を握った。

 前半5分にはロングボールからFW今井拓人(2年)にDFの背後をとられ、肝を冷やしたが、以降は前線からのアグレッシブな守備で試合の流れを引き寄せた。自陣まで持ち込まれても岡田の跳ね返しとDF正保龍海(2年)のカバーリングでシュートを打たせない。

 攻撃では先制点を狙うべく、ボールを奪ったら素早く技巧派レフティーのMF社頭尋斗(2年)やFW小島洋甫(2年)が素早くDFの背後に配球。18分には社頭、MF小倉優輝(2年)と繋いだボールから小倉がPA内に出たが、シュートはDFに阻まれた。

 後半に入ってからは、本来のショートパスとドリブルを織り交ぜたスタイルへとシフトチェンジした。後半3分には小島の突破から左CKを獲得。ゴール前に入れたクロスは相手DFに弾かれたが、粘り強く繋ぎ、最後はMF西岡大悟(1年)が押し込み、均衡を崩した。

 追い掛ける展開を強いられた岡山学芸館のエンジンがかかったのはここからだった。この日は、主将の山岡に加え、DFリーダーとして期待されるDF坂田陸(2年)も怪我のため大事をとり、ベンチスタート。「もう少し後ろからボールを動かしたかったけど、相手のプレッシャーと足元の不安定さのせいで繋げなかった」(高原良明監督)ことが苦戦の理由だった。

 後半からはサイドで起点を作るため、4-3-3から慣れ親しんだ3-4-3へとシステムを変更し、山岡を投入。サイドバックからウイングバックへと上がった左のDF竹川奏(2年)や後半途中から入った右の田中壱晟(2年)が高い位置で受ける回数を増やした。

 すると、後半20分には、田中が右サイドからゴール前に鋭いパスを入れ、山岡がスライディングで合わせた。同点となってからは一進一退の展開となったが、試合終了間際の35+3分には左サイドでボールを持った山岡がカットインから豪快な一撃を叩き込み、岡山学芸館が逆転に成功。苦しみながらも決勝行きのチケットをもぎ取った。

 岡山学芸館は、昨年11月に選手権予選の決勝で敗れた直後から新チームを立ち上げた。今年の代は、核となる中盤の選手が多かった昨年のチームとは違い、縦への推進力に長けたアタッカータイプが多く揃う。特徴を活かすためにも、昨年のようなボール回しを身につけられるかが今年のポイント。トレーニングから相手を困らせる立ち位置をとってボールを動かし、数的優位を作ろうと意識しながら、選手権後に行ったプリンスリーグの3試合と1月に行われた“裏選手権”で県外の強豪に胸を借りてきた。我慢の時間が長かったとは言え、他のチームより経験値を積んでいる自負はあるため、この日の試合も「点は獲られたけど負ける気はしなかった」(山岡)。

「3冠を目標にしているので、明日まずしっかり勝ちたい。インターハイと選手権で岡山の1位になって、全国で名を残したい」。山岡の意気込み通り、連戦となる決勝でも負けるつもりはない。この日の反省を活かし、まずは一つめのタイトルを手にするつもりだ。

(取材・文 森田将義)

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