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前半は選手権覇者と互角の戦い。技術力高い今年、日本航空は繋いで崩す強みも持つチームへ

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日本航空高は2つの強みを持つチームとなって山梨学院高へのリベンジを果たす

[2.6 山梨県高校新人大会決勝 日本航空高 0-2 山梨学院高]

 18年度選手権8強の日本航空高は近年、強固な守備と縦に速いダイナミックな攻撃を特長に山梨県内の大会や全国大会で勝ち上がってきた。だが、今年は縦に速い強みを持ちながら、繋いで崩す強みの「二刀流」(CB 植松遼主将、2年)を目指していくという。

 新人戦決勝では推進力のあるMF糸房珠希(2年)やDF井上翔太(2年)の鋭い縦突破が光っていた一方、DF鳥居蓮太郎(2年)や植松ら後方の選手も積極的に繋ぐ部分にチャレンジ。昨年から主軸のGK小川颯馬(2年)が準決勝で負傷離脱したこともあって上手くいかない部分もあったが、ボールキープに余裕のある10番MF田口靖忠(2年)やMF小幡來豊(2年)とMF仲悠希(2年)のダブルボランチらが足元で勝負していた。

 全体的に足元の安定している今年、仲田和正監督はMF荒木翔(現甲府)やMF山口和樹(現長野)を擁し、独特のポゼッションと非常に連動性の高い崩しで選手権初出場を果たした12年度前後のチームの良さを取り入れる考え。山口や荒木という際立った技術力、個人戦術を備えた選手たちがいたからこそ表現できたスタイルでもあるが、今年は再び繋ぐ部分に重きを置いて取り組んでいく。

 現状はまだ足りない部分も多い。この日も前半は選手権覇者の山梨学院高相手に互角の戦いを見せていたが、決め切ることができなかった。逆に相手がギアを上げ、負傷を抱える仲が交代した後半は前線までボールを運ぶ回数が減少。相手の2トップにマンマークをつけて対応していたが、その2トップに得点を奪われて0-2で敗れている。

 それでも、仲田監督は計5試合を戦った新人戦について「課題も見えた。非常に良い経験になる」と前向き。植松も「(繋ぐ部分は)まだ、未完成なんですけれども、これからの大会では良い形でできるように練習していきたい」と意気込んでいた。

 日本航空は昨秋の選手権予選決勝で山梨学院と対戦。後半終了間際の失点によって逆転負けし、勝者はその後日本一に輝いた。その決勝も先発出場していた植松はこの日敗戦したことに加え、自身の強みであるヘディングやコーチングを発揮できなかったことを悔しがる。だからこそ、「(自分の力は)足りなかった。(チームとしても)決め切る勝負強さ、あと1対1とか個人のところはまだ全然向こうの方が長けていたので詰めていきたい」と宣言。次の対戦では上回れるように努力を重ねていく。

「反省して明日からの練習で強みを出せるように、この一年はチームとしてのやりたいことをしっかり完成度高めて選手権で披露したい。次は絶対に勝ちます」と植松。個で負けない、そして2つの強みを持つチームになって21年度は日本航空が全国で舞う。

(取材・文 吉田太郎)

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