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青森山田から挙げた2ゴール。静岡学園FW持山匡佑はワンチャンスを決められるフィニッシャーへ

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静岡学園高のフィニッシャーを任されるFW持山匡佑

 初日は2試合でノーゴール。焦りがなかったと言ったら嘘になる。「攻撃陣は2試合通してゴールがゼロで終わったので、『ウチは攻撃のチームなんだから点を獲ろう』という所を意識しました」。時之栖チャレンジカップ2日目。青森山田高(青森)との最終戦で、見事に結果を出した静岡学園高(静岡)のFW持山匡佑(2年=清水エスパルスジュニアユース出身)は会心の笑顔を見せた。

 時之栖チャレンジカップ初日。1試合目の山梨学院高(山梨)戦はスコアレスドロー。2試合目の前橋育英高(群馬)戦は0-3の黒星。2日目に静岡学園は大会初勝利を懸けて、強敵の青森山田へ挑む。

 試合は前半から激しく動く中、2-2で迎えた後半7分。右サイドからFW川谷凪(2年)がクロスを上げると、持山はニアに飛び込む。「(チームの)1点目もそうだったんですけど、青森山田のCBがあまり下がってこなかったので、キーパーとCBの間に速いボールが来れば行けるかなと思っていました」。狙い通りの形で勝ち越し点を挙げる。

 すると、勝利を強奪したのも自身のゴール。38分に三たび追い付かれ、引き分け濃厚だったアディショナルタイム。CKの流れから、左サイドを松永颯太(2年)が運ぶと、仕事するポイントを瞬時に嗅ぎ取る。「フォワードなので自分が点を獲って終わらせようと思っていました」。正確なヘディングがゴールネットを揺らすと、それがそのまま決勝弾に。4-3という打ち合いの大トリを飾ったのは、持山の一撃だった。

「もう自分が最後に決めて、チームを勝たせようという感じです」と話す、根っからのストライカー気質。「前を向いた時に1人でシュートまで行ける選手になりたいですし、海外の選手とかは本当にワンチャンスで決めるので、そういう所はしっかり決められるようになりたいです」。川崎フロンターレの小林悠を参考に、ゴールを奪うための動き出しを磨いている。

 中学時代は清水エスパルスジュニアユースでプレーしていたが、ユースには昇格できず、もともと中学時代から通っていた静岡学園高に進学した。エスパルス時代のチームメイトで、現在はユースに在籍するU-18日本代表候補FW千葉寛汰(2年)は意識する相手。「最近県選抜があった時もあっちが最初に出て、自分の出番はその次でした」。いつか追い付き、追い越すために、日々の努力を積み重ねていく。

 強豪相手の3試合で今後の課題も把握済み。「やっぱりフォワードなのでもっとシュートの回数を増やして、決めないといけないなと思いますし、チームとしてはリーグ戦も始まるし、インターハイもあるので、全部の試合に勝てるようにしたいです。個人としては高校からプロに行けるように、まだ足りないものはありますけど、1年間通してもっと成長していきたいです」。静岡学園が誇る華麗な攻撃をきっちり仕上げるフィニッシャー。持山にかかる期待は決して小さくない。

(取材・文 土屋雅史)

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