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[MOM3438]西武台FW市川遥人(3年)_ 3戦7発!メンバー外、CBも経験のFWが続ける献身

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西武台高FW市川遥人はハットトリックで関東大会進出に貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.27 関東高校大会埼玉県予選準決勝 西武台高 4-0 正智深谷高]

 3試合で計7ゴール。結果を出せずにCBも経験したFWが現在、チームのために走り、ゴールを量産している。

 西武台高のFW市川遥人(3年=FORTE FC出身)は、関東高校大会出場を懸けた埼玉県予選準決勝で今大会2度目となるハットトリック。まずは前半2分、「日頃から練習している」という右SB原田蓮斗主将(3年)からのクロスを上手く首を振ってのヘッドで逆サイドのゴールネットへ流し込む。

 17分には、「天然芝はちょっとボールが遅くなるのが分かっていた」と相手のバックパスを奪う形で貴重な2点目のゴール。そして、後半23分にはゴール前のこぼれ球を押し込んで3点目を挙げた。

 西武台の守屋保監督が「僕らがビックリするくらい」という大活躍。高速アタッカーのエースFW細田優陽(3年)が怪我明けという状況に加え、初戦でスピードとシュートセンスが持ち味のFW大畑航也(3年)が負傷したことでCF起用された背番号17が大暴れしている。

 市川は1年時から選手権予選メンバーに登録されていたプレーヤー。だが、2年時は結果を残せずにメンバー外となり、新チームスタート時はCB、今大会も当初はトップ下だった。特別な技術力を備えている訳ではないが、前線でハードワークを続けて味方を助け、自身のゴールにも結びつけている。

「自分はチームの中でも運動量がある方なので。そこはしっかり持って後ろの人たちが楽になるように。そこで奪ってからショートカウンターということを意識している。自分が追うことによってチームのみんなが楽になったり、そこが自分の良さだと思う」

 以前は決めよう、決めようと力んでしまうところもあった。だが、まずはチームのためにボールを追うことを貫いている。守屋監督も「ある部分決めなくても自分が追うことによって周りが楽になるんだったら、自分はしっかりと追って行こうという気持ちから点が獲れているんじゃないかなと思います」とその姿勢を評価。そして、「褒めて育てたくはないですけれども、褒めてあげたいと思っています」と頬を緩めていた。

 2年時にメンバー外を経験し、「悔しくて見返そうという気持ち」も現在の原動力。相手DFにユニフォームを引っ張られても前に出る推進力や高さ含めてチームに欠かせない存在になりつつある。決勝や関東大会でもまずは自分の役割に集中。そして、徐々に自信を深めているFWは、自然体でゴールを重ねる。

(取材・文 吉田太郎)

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