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[関東大会予選]PK戦直前に投入され、殊勲のストップ!武南GK小佐野は100分間奮闘の後輩に感謝

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浦和西高5人目のPKを止めた武南高GK小佐野耕喜がガッツポーズ

[4.27 関東高校大会埼玉県予選準決勝 浦和西高 1-1(PK4-5)武南高]

 伝統校を関東大会出場へ導くPKストップ。ヒーローになった武南高GK小佐野耕喜(3年)は、後輩GK牧之瀬拓人(2年)への感謝を忘れなかった。

「PKキーパーが止めたらその直後はPKキーパーが『ナイスキー!』と言われるんですけれども、自分的には牧之瀬がそこまで延長も1点で抑えてくれて、延長後半も浦和西ペースだったのに牧之瀬が防いでくれたので、そこは牧之瀬に感謝したいです」。

 自分が活躍できたのは、後輩が100分間を1失点で凌いでくれたから。だからこそ、小佐野はもうひとりのヒーローの名を挙げて一緒に掴み取った白星を喜んでいた。

 武南は関東大会予選開幕後にGK五十嵐蒼太(3年)が負傷離脱。内野慎一郎監督によると、小佐野の実力は牧之瀬と変わらないというが、先発でなくサポート役に回っていた。それでも、「一発の力は小佐野の方がある」と評価する内野監督は新田智幸GKコーチと相談し、PK戦で小佐野を投入することを決断。その小佐野は1人目からしっかりと跳躍できていた一方、止めることができていなかった。

 焦りはあったという。だが、味方も4連続で成功。そして、「5本目はそこで止めるしかないと。ベンチから小林(昂生)先生が声を掛けてくれて、焦っていたんですけれども、それで心が落ち着いたので、落ち着いてPKに入れました」という小佐野が浦和西高5人目のシュートを右へ跳んでストップする。

 そしてガッツポーズ。東松山ペレーニア(埼玉)時代にもPK戦で活躍し、日本クラブユース選手権出場に貢献しているというPKストッパーが、フィールドプレーヤーやGK陣、そしてスタッフの期待に応えた。

 内野監督は「期待に応えてくれたので本当に良かった。たまたまかもしれないけれど、たまたまを引き寄せるためにどれだけの努力があるかと言うのは……本人たちは苦しい思いをいっぱいしているし、選ばれずに悔しい思いをしているのもいっぱいいる」。悔しい思いをぶつけて勝利に貢献した小佐野は「関東大会で勝ち進んでいきたいし、インターハイ、選手権で全国目指して行きたいです」。この日の活躍を自信に、再びチームの勝利に貢献する。 


(取材・文 吉田太郎)

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