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[関東大会予選]“千葉の技巧派軍団”中央学院の新10番FW野口滉生がカットインから技ありゴール

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前半16分、中央学院高FW野口滉生はパスを受けるとカットインしてから先制点

[5.2 関東高校大会千葉県予選準々決勝 日体大柏高 2-1(延長)中央学院高]

 注目の10番が強豪対決で技ありゴールを決めた。前半16分、中央学院高は左SB宇田川海翔(2年)がドリブルで大きく前進してスルーパス。斜めの動きでボールを受けた10番FW野口滉生(3年=セゾンFC出身)の前には、カバーした相手DFが戻ってきていた。

「(ボールを受けた時点で)まだシュートというイメージが無かった」という野口は、そのDFの目前を横切るようにカットイン。日体大柏高はシュートコースを消すために2人目のDFとMFが前方を塞いでいたが、10番は「(2人目を外したくらいで)シュートコースが見えた」と右足を振り抜く。鮮やかな一撃がゴール右隅に吸い込まれて先制点となった。

“千葉の技巧派軍団”中央学院の10番はその実力を示すゴール。試合前、「流れを変えられる」という野口の活躍を勝利の条件として挙げていた濱田寛之監督の期待に応える見事なシュートだった。

 本人は「この大会始まってから10番もらったんですけれども、そこからちょっとずつ責任感が出てきて『自分がやらなきゃ』と」。この一撃は、数々の名手が背負ってきた10番の責任感が生み出したゴールでもあった。

 ただし、主軸2トップを怪我で欠いたこの日は、その後思うようにボールを受けることができず、前線で孤立。相手DFを引きつけて味方の突破を演出するシーンもあったが、数的不利の状況で仕掛けてロストするなど難しいゲームとなった。

 期待の長身CB大磯竜輝(2年)やGK笹崎翔矢(2年)を中心に我慢強く戦い、スピードに乗ったままDFをかわしていくMF杉本圭吾(3年)やMF伊達優佑(3年)のドリブルを活かして対抗したものの、セットプレーから追いつかれ、延長戦の末に逆転負け。野口は「立ち上がりは行けたんですけれども、後半になったら足が止まってきていて、向こうのクロスとかセットプレーとか、1枚上手だったかなと思っています」と悔しがった。
 
 10番はこの悔しさをインターハイ予選や選手権予選でぶつけ、個人としてはプロ入りを目指す。「他の(力のある)ドリブラーって最近増えてきていると思うので、その中でも違いを出していきたいし、持ったら何をするか分からないような選手になりたい」。プロ入りのために課題だという運動量や守備面を改善し、「持ったら何をするか分からない」までドリブルを極める。

(取材・文 吉田太郎)

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