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J練習参加で学んだ明秀日立の194cmGK谷口璃成。大舞台で結果と武器示し、より上へ

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明秀日立高の194cmGK谷口璃成

[5.8 関東高校大会茨城県予選準決勝 水戸商高 0-3 明秀日立高]

 注目の194cmGKが関東高校大会出場権を獲得した。明秀日立高のGK谷口璃成(3年)はJ1、J2の計3クラブに練習参加している大器。この日はDF陣の集中した守りによって見せ場こそ少なかったものの、無失点で勝利に貢献した。

 香川県の高松市立勝賀中時代にナショナルGKキャンプメンバーに選出されている谷口は、好守護神の育成を続けている茨城の新鋭へ進学し、2年時から先発。194cmというサイズに加え、スムーズな動きを見せて注目度を高めた。だが、選手権予選は決勝で延長戦の末に惜敗。より多くの人々に見てもらう機会を失った。

「人の目につくタイミングで自分がどれだけ活躍できるか。自分の成長、周りの目も含めて、チームを勝たせられる存在になっていきたい」。普段は茨城県1部リーグでプレーするだけに、関東大会はより多くの関係者に見てもらうチャンス。関東大会やインターハイ、そして選手権といった大舞台で活躍し、自分の力、ポテンシャルを証明したいという考えだ。

 Jクラブの練習参加で得たものは多かった。「シュートスピードの速さは一番驚いたことで、速いスピードで隅に打ってくるシュートをプロの人は当たり前のように止める。準備と反応の速さ、そしてポジショニングが違う」。また1対1になった際に、自分は脇を抜かれないように手を地につけるような形で距離を詰めていたが、プロは余分な動作をせずに距離を縮めることに重きを置いてシュートの瞬間に100の力でストップしていた。

 そして、プロの選手たちは開始2時間前に練習場に来て入念な準備。また、より身体を大きくしなければならないことを改めて実感した。昨年1年間で10kgもの増量をしたが、現在も食事の回数、補食を増やして「(現在の82kgから)85は行きたい」。

 明秀日立の大塚義典GKコーチは、経験を重ねてきた谷口について「トレーニングで存在感が出てきた」と認める。シュートストップ、ハイボールへの対応も明らかに向上。そして本人はまだまだ満足していないが、課題のキックも上達してきているという。

 Jクラブから将来性を高く評価されていることは間違いない。その上で、萬場努監督は「今の時点でも良いと言われる何かが必要」と求める。高校から直接プロ入りするために、違いを見せることが必要。本人はその武器が高さだと考えている。

「クロスに出るというのは、自分の身長ではまず一番に出ないといけないというのがありますし、そこで自分がどれくらいの強さを見せれる、自分が取って守備の安定感を持たせる、そういうことを今、一番に考えています」。

 9日までU-18日本代表候補合宿が行われていたが、GK3人はいずれも高体連のプレーヤー。「自分もチャレンジしなければいけない」という思いを持っている。そのためにも武器で違いを示し、課題を一定のレベルにまで引き上げること。そして、大舞台で結果も残してチャンスを掴む。
 
(取材・文 吉田太郎)

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