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[和倉ユース大会]「ピンチをチャンスに」変えた旭川実の司令塔・MF柴谷幸輝、インハイでの活躍誓う

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スペースへの配球が光った旭川実高MF柴谷幸輝

[7.30 和倉ユース大会順位決定T 日体大柏高 1-2 旭川実高 マリンパーク]

「ピンチをチャンスに」変えた。旭川実高(北海道)はこの日、司令塔のMF柴谷幸輝(3年=SSSジュニアユース出身)が攻撃の中心に。ダブルボランチを組むMF樫山一生(2年)のサポートを受けながら高めのポジションで攻撃に係ると、正確なボールタッチからスペースへのパスやPAでの崩しを狙った。

 後半12分には、敵陣中央から斜めのスルーパスで決定機を演出。守備面でも粘り強く戦った一方、「サイドの配球でイージーなミスもあったので、そこのクオリティを高めていきたい」と課題改善を誓っていた。

 柴谷は昨年7月、右膝に大怪我を負って手術。長期離脱を強いられた。期待のMFにとって、大きな試練。だが、「手術前に、(富居徹雄)監督に『ピンチをチャンスに変えろ』という言葉を頂いたので、そこからはリハビリをしっかりとやって、3年目になった時にしっかりと結果を出せるようになりたいなと思っていました」という柴谷は、メンタル面から変化してチームに戻ってくる。

「自分はチャランポランなところがあって……」と振り返る柴谷は1年時、利己的なプレーになりがちだったという。だが、現在の考えは「もっと周りを活かして、最終的に自分が引っ張っていって点に絡むことができたら自分にとってもプラスになると思います」。

 その柴谷は今年のインターハイ予選で得点こそなかったものの、特長であるアシストや課題の守備の部分でも優勝に貢献した。ピッチに立てず、準優勝に終わった昨秋の選手権北海道予選の悔しさも力に。「3年生の色々な人からも『柴谷がいたら』、と言ってもらったりして、チームのためにできなかったのはショックだったんですけれども、(今年は)去年の分もやらないといけないと思っています」という柴谷は、先輩たちの思いも込めてチームのために戦い、全国切符を勝ち取った。

 まだまだ満足していないが、チームにもたらしている結果。その柴谷は、インターハイで個人として、チームとして活躍することを誓う。「全国では前線で自分が中心となって周りを活かしながら、最後ゴール前でしっかりと決める。勝ちにいきたい」。テクニックで違いを生み出すことのできるMFが、昨年の「ピンチ」で得た力もピッチでぶつけ、目標の全国4強以上を実現する。

(取材・文 吉田太郎)
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