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2年生9人先発の富山U-18は育成と勝つことにもこだわり、より多くを経験できる舞台へ

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攻守両面で存在感を放ったカターレ富山U-18の左SB兼浦秀多主将が下級生の多いチームを引っ張る

[10.2 高円宮杯プリンスリーグ北信越第17節 富山一高 1-1 富山U-18 富山一高G]

 後半アディショナルタイムに力尽きて同点ゴールを献上。カターレ富山U-18は白星こそ逃したものの、2年生9人が先発の若いチームが名門校と渡り合い、勝ち点1を獲得した。

 左SB兼浦秀多主将(3年)は今年のチームについて、「全体的に全員が頑張る。キレイなサッカーもしたんですけれども、最後まで全員で頑張るというところが特長だと思います」と説明する。

 この日は特に運動量の多かった前半、主導権を握っての戦い。攻守両面で存在感ある動きを見せていた兼浦のクロスなどからゴール前のシーンを作り出した。そして、後半7分には先発でもう一人の3年生、FW春木慎之介のゴールで先制。だが、その後相手の圧力の前にズルズルと下がってしまう。懸命な守備も実らず、退場者を出して迎えた45+2分にゴールをこじ開けられた。

 悔やまれるドローだった。それでも、プリンスリーグ昇格4年目の今年は5勝3分4敗と初の勝ち越しの可能性十分。暫定ながら、プレミアリーグプレーオフ圏内の2位と勝ち点2差と上も見える戦いを演じている。

 現役時代は長く富山トップチームの柱を担い、今年からU-18チームの指揮を執る朝日大輔監督は、「勝敗が全てだとは思っていないですけれども、勝ち負けにこだわるということは大事だと思います。それがあるから、嬉しい・悔しいがあるからもっとやりたいというところに繋げていってもらえればと思っているので」と語る。

 もちろん、アカデミーからトップチームへ押し上げることが第一。だが、チームとしてより上のステージに立ち、厳しい戦いの中でベースを高めたいという思いがある。アカデミーとしての歴史がまだ浅い富山U-18にとって、我慢強く相手の攻撃を跳ね返していたこの日のような経験も間違いなくプラス。より厳しい戦いを経験できるプレミアリーグ昇格のチャンスがある限り、全力で目指し続ける考えだ。

 兼浦は「自分はキャプテンなので、2年生も多いので全員がやる気を出してくれるように声出したり、自分からやって、周りが付いてきてくれたら良いなと考えています。高いレベルで来年からできたら今の2年生も1年生もそうですし、良い選手が多いので、プロにどんどん行けるように高いレベルでやって欲しいです」と語った。

 U-17日本代表候補のCB小川遼也(2年)をはじめ、GK土肥彪真(2年)、FW杉本悠(2年)ら力のある下級生たちにより成長できる機会を与えられるようにすることが目標。この日のドローでプレミアの舞台がわずかに遠のいたことは確かだが、諦めずに全員で頑張る姿勢を貫き、チャンスを引き寄せる。

(取材・文 吉田太郎)
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