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東北高校新人戦。現地取材記者3氏が選ぶ「確かな輝きを放った11名」

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尚志高の1年生MF神田拓人は守備面で成長。東北制覇に貢献した

 第21回東北高校新人サッカー選手権大会 (男子)が1月29日から31日まで行われ、尚志高(福島1)が5年ぶり3回目の優勝を飾りました。残念ながら出場予定だった4校が出場辞退となりましたが、大会関係者のサポートもあって12校の選手たちが奮闘。ゲキサカでは、サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』元編集長で育成年代から日本代表まで幅広く取材する川端暁彦氏、各種スポーツを少年から自衛隊まで取材して先の東京五輪も多くの競技を取材した平野貴也氏、関西を中心にジュニアから大学生・プロ選手まで精力的に取材する森田将義氏の3名に、「確かな輝きを放った11名」を選考、紹介してもらいます。

川端暁彦氏「Jヴィレッジに集まった12校から目を惹いた11名を選出させていただきました。まだ立ち上げの時期ですので、チーム成績には頑迷にこだわらず、早期敗退校を含めて幅広く選考範囲に入れた上で、平野貴也、森田将義、そして私、川端暁彦の3人の記者が激論の末に選んでおります。正直に言って他にも沢山の好選手がいましたが、この11人が確かな輝きを放った選手たちであることは間違いありません」

以下、3氏が推薦する11名

GK桑原優治朗(東北学院高2年)
2回戦、準決勝を完封。敗れた決勝戦も、決定機で好守を連発するなど安定感のあるプレーを見せた。日本代表シュミット・ダニエルは東北学院OB。「すごく憧れる。背中を追いかけて頑張りたい。この環境でも行けると思わせてくれて、ありがたい」と刺激を受けている。

DF山田一景(尚志高2年)
176cmの身長はCBとしては小柄だが、身体能力の高さは魅力十分。競り合いで強さを発揮するだけでなく、無理な体勢からでも相手攻撃を食い止められる。高校に入ってからは、予測での守備にも自信をつけており、チェイス・アンリが抜けた後のDFリーダー役を担う。

DF佐藤春樹(東北学院高2年)
自ら「気合い系」と語るCBが憧れる選手はDFセルヒオ・ラモス。競り合いに滅法強いプレースタイルは確かにスペインの闘将を彷彿とさせるものがあり、今大会躍進の原動力だった。大会で残った課題は「セットプレーでの得点力」。全国切符のために磨きをかけたい。

DF布施颯大(八戸学院野辺地西高2年)
昨季から主力のストッパー。今季から主将も務める。残念ながら初戦で敗れたものの、ヘディングの強さや出足の鋭さ、カバーリングに優れた守備を披露。仲間へのコーチングを含め、中心選手としてチームをけん引し、接戦に持ち込む要因を作り出した。

DF船山智也(花巻東高2年)
元日本代表MF柱谷哲二テクニカルアドバイザーの提案により、FWからSBへ転向。初戦から精力的な上下動を見せ、「最初はビビっていた」と言いながらも、勝ち上がるごとにコンタクトプレーでの強さを発揮。清水康也監督も「まだ粗削りだけど、一番良くなった」と評価した。

MF神田拓人(尚志高1年)
中学時代は司令塔タイプのボランチだったが、「サッカーは守備が一番大切」という父の助言を受けて、高校入学後は守備に注力。Aチームで初めてプレーした今大会では、予測力の高さを活かしたセカンドボールの回収を要所で披露し、タイトル獲得に貢献した。

MF横塚翼(帝京安積高2年)
ゴール前で見せる細かいパスワークによる崩しの角になるだけでなく、今年になって主将を任されてからは、ゴールに向かうプレーの力強さも増してきた。今大会はライバル・尚志に2回戦で敗れたが、小田晃監督が「今年のエース」として信頼する理由を垣間見せた。

FW佐藤拓海(明桜高2年)
縦横無尽の動きからパスを引き出し、ペナルティエリア付近では小粋なプレーを見せるアタッカー。また「ヘディングは得意」と語る通り、決勝でもクロスから見事に決めた。今後に向けては「お互いに良い部分も悪い部分も言い合えるチームにしたい」と語る頼れる主将。

FW金田遼平(専修大北上高1年)
惜しくも初戦敗退で終わったが、残したインパクトは絶大だった。小柄な力強い豆タンクのようなタイプのストライカーで、前線をアグレッシブに動き回り、力強いドリブルを披露。巧みなボールコントロールでターゲット役としても機能し、今後の飛躍に期待を抱かせた。

FW泉海斗(秋田商高1年)
「期待の1年生に与える番号」という背番号17を小林克監督から託されたストライカーは初戦で見事な一発を沈めるなど存在感を発揮。惜しくも敗れたが、指揮官が「観ていて楽しい選手。(DFを)外すのが上手い」ところは披露。さらなる成長に期待がかかる。

FW渡邉幸汰(東北学院高2年)
身長184cmの体から両足を豪快に振るストライカー。どこからでもゴールを狙えるシュートレンジの広さは最大の魅力。橋本俊一監督は、胸トラップなどでのポストプレーの精度向上を要求している。目標は「常に点を取って、周りも生かせる」と憧れるレバンドフスキ。

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