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プロ入りした同期4人目標に挑戦開始。FW松永颯汰が日本高校選抜で“静学らしさ”表現し、40mのスーパーゴール

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1本目8分、日本高校選抜FW松永颯汰(静岡学園高3年)が約40mのスーパーゴール

[2.10 練習試合 日本高校選抜 2-4 桐蔭横浜大]
 
 先にプロ入りした同期たちに追いつき、追い越す挑戦がスタートしている。日本高校選抜FW松永颯汰(静岡学園高3年=G大阪門真ジュニアユース出身)は2トップの一角として先発すると、1本目8分にスーパーゴールを決めた。

 プレスバックして巧みな身のこなしでインターセプト。ほぼ同時に前を向き、顔を上げて視野を確保していた。「最初はロングパスをしようかと思いました。でも、GKが前に出ていて、ちっちゃめだったので行けるかなと思って打ってみました」。ハーフウェーラインをやや越えた位置から右足を振り抜くと、ボールはGKの頭上を越えてゴールネットに吸い込まれた。

 約40mのロング弾に日本高校選抜が歓喜に沸く。「スタメンで出れるということで、絶対に何か残さないといけないと思って試合に臨んでいたので。トラップを良い位置に置けたので、それですぐにゴールを見れて正確にゴールに蹴り込めたのは良かったかなと思っています」。静岡学園のモットーでもある、見ている人間を驚かすようなプレーとゴールだった。

 3年間徹底的にテクニックとインテリジェンスを磨いてきた静岡学園出身の選手としてのプライドがある。「(静岡学園から外に出ると、)考え方とか違うけれど、そのサッカーに合わせつつ、他の選手、他の高校では出せない特長、静学スタイルや自分の良さを出していければ良い。新しいところからサッカーが見れたりするので、そういうところが凄く良い経験になっている。(日本高校選抜で)凄くレベルの高いところでやらせてもらって、自分が足を引っ張らないようにしたい」と前を向いた。

 ミスがゼロではなかったものの、ゴールシーン以外にもやや下がり目の位置でボールを引き出し、“静学らしく”個で相手を剥がし、前へ運ぶ力を見せた。テクニックに加えて、180cm、75kgのサイズと強さが松永の特長。「もっと大学生がゴツくて勝てないと思っていたけれど、自分でもできたので自信を持ってこれからもやっていけるかなと思っています」というように、流通経済大へ進学する今後へ向けて、一つ自信となるゲームとなったようだ。

 静岡学園進学後、同学年の中でもいち早くAチームを経験。最終学年では中心選手になることが予想されたFWは、まず新人戦で優勝に貢献した。だが、キープ力とアイディアがある一方で守備の課題や、細かなミス、テンポを遅らせてしまった部分もあり、タレント豊富な前線で絶対的な存在になることができず。インターハイ予選は右SBも務めていた。そして、インターハイ全国大会はまさかの登録外。だが、自分の姿勢を見つめ直し、コツコツと努力を重ねたFWは巻き返す。

 インターハイ優秀選手のFW持山匡佑(3年)が怪我したこともあって1トップで起用された松永は、攻撃面の強みを発揮しつつ、これまでなかったほどのハードワークでチームに貢献。川口修監督もそのプレーを高く評価していた。また、井田勝通総監督から毎試合のように檄を受けていた松永はプレミアリーグプレーオフや全国大会でも前線で奮闘。本人は「選手権はあんま納得が行っていなかった」と首を振るものの、2得点を挙げて大会優秀選手、そして日本高校選抜に選出された。

「(インターハイのメンバー外から)悔しくてずっとやってきたので、(日本高校選抜は)全然ゴールではないですけれども、一個の通過点としてこのチャンスをもらえたことはあれがあったからこそだと思っています」。悔しさをバネにしている松永は日本高校選抜の活動に全力で取り組み、将来のプロ入りに繋げる意気込みだ。

 静岡学園同期の4人がプロ入り。「(4人は)目標なんですけれども、このまま自分の調子や人間性を上げていって、早く追いつきたいというのがある。(大学は)高校とはサッカーが変わってくると思うけれど、やってきた守備の部分もやりつつ、どれだけ自分の良さを出していけるかだと思っている。無理やりでもシュートを打つことなどをやって行って、試合に絡むことができたら良い」。名門・流経大で下級生からチャンスを掴み、必ずプロ入りを果たす。

 まずは12日の「NEXT GENERATION MATCH」川崎フロンターレU-18戦に集中。チームの勝利が最優先だが、「今後プロになるという意味で、結果を絶対に出さないといけない」という野心を表現し、必ずゴールを奪う。

(取材・文 吉田太郎)
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