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190cm、俊足、川崎Fと日体大柏で磨いた技術力…FWオウイエ・ウイリアムが進化続けて大ブレイクへ

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潜在能力抜群の日体大柏高FWオウイエ・ウイリアムは進化を続け、プロのステージへ

[5.8 関東高校大会千葉県予選準決勝 暁星国際高 1-3 日体大柏高]

 柏や仙台のDFとして活躍した経歴を持つ日体大柏高・根引謙介監督が、「色々な可能性を持っている選手だと思う。どんどん良くなっている」と期待する大器だ。

 FWオウイエ・ウイリアム(3年=川崎フロンターレU-15出身)は、190cmの高さと跳躍力、そして「チームで3番目に入ると思う。(50m走で)6秒前半は出ると思います」というスピードの持ち主。その身体に加え、「中学がフロンターレでずっと止める・蹴るをやってきて、ここ(日体大柏)でも身についたという感じです」という技術力がその可能性をさらに引き上げている。

 この日は随所で「止める」力を発揮。一見難しく映る浮き球をピタリと止め、味方に繋いでいた。前半14分には左CKからヘディングシュートを放ち、同25分にはワンツーで一気にPAへ。そして、後半立ち上がりには柔らかいクロスやサイドチェンジを披露し、2点目をアシストした。

 特長の一つである、長身を活かしたボールキープ含めて素材感十分の動き。その一方、この日は「自分、連戦で頭の部分が回っていなくて、取られてピンチも作られてしまった」。判断が遅れてロストするなど、淡白なプレーが目立つ形となり、本人も猛省していた。

 オウイエは川崎フロンターレU-15でレギュラーも務めていたというが、3年時に怪我が重なるなど出場機会を増やせず、U-18チームへの昇格が見送られた。日体大柏進学当初はCBやSBとしてプレー。昨年はレギュラーを掴むまでは至らなかったが、主にボランチを務めながら力を磨き、今年1月にFWへコンバートされた。2月には、FW転向直後にかかわらずJクラブの練習参加も経験。「身体とかフィジカルの部分はまだまだ足りないですし、攻撃の仕掛ける部分やタッチは結構通用するところがあったので、良い経験になりました」

 プロ入りを勝ち取るために必要なことは分かっている。「インターハイ・選手権で全国出て、全国でも(日体大柏も、自身も)多分やれると思うので、そこで自分の力を発揮してチームを勝たせていきたい。もっとチームを勝たせるプレーとか、自分は守備が課題なので、そこでもっとチームに貢献して、得点もそうですし、逆足ももっと使えれば幅広がっていくかなと思います」。課題を改善し、よりゴールなどチームを勝たせるプレーを増やして評価を高める。

 川崎F U-15時代のチームメートだったCB高井幸大が、今年2月にトップチームとプロ契約し、4月のACLでデビュー。オウイエは「ずっと一緒にやってきて、先越されたので刺激になっています」。根引監督はそのオウイエについて、「(現在は潜在能力の)まだ3割くらいじゃないでしょうか。(本人の努力に加え、)我々がどこまで伸ばしてあげられるか」。大器は地道に、全力で目の前のトレーニング、試合を重ねるだけ。そして、DF時代から憧れるFWクリスティアーノ・ロナウドのように決定力や動き出しでも違いを示せる選手へ進化し、旧友と同じステージに立つ。

(取材・文 吉田太郎)

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