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静岡ユースがSBSカップ初戦で3発。U-18ウズベキスタン代表を追い詰めるも、終了間際の失点と強雨のPK戦で涙

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静岡ユースはCB行徳瑛(静岡学園高、中央)の先制ゴールなど2度リードを奪ったが……

[8.25 SBS杯第1節 静岡ユース 3-3(PK3-4)U-18ウズベキスタン代表 藤枝総合]

 U-18ウルグアイ代表、U-18ウズベキスタン代表、U-18日本代表、そして静岡ユースが優勝を争う「2022 SBSカップ国際ユースサッカー」(静岡)が25日、開幕した。地元・静岡県のU-18選手によって構成された静岡ユースは、初戦でU-18ウズベキスタン代表と激突。3-3で突入したPK戦の末、3-4で敗れ、黒星発進となった。

 静岡ユースは年代別日本代表候補歴を持つMF安藤阿雄依(清水ユース)やMF高橋隆大(静岡学園高)、CB行徳瑛(静岡学園高)、FW後藤啓介(磐田U-18)らU-18日本代表入りを狙う選手たちが先発。立ち上がり押し込まれるも、右SB松田和輝(磐田U-18)のシュートブロックやGK森脇真一(磐田U-18)の好セーブなどで凌ぐと右の高橋、左の安藤の両翼の攻撃力を活かして攻め返す。

 そして18分に先制点を奪う。左CKの流れから、右タッチライン際でバックパスを受けた安藤が相手選手の前に潜り込む形で突破。さらにゴール方向へのドリブルで複数のDFを引き付けて右へさばく。ここで高橋がDFとの1対1からクロス。ボールはDFに当たって舞い上がったが、これを左ポスト付近に詰めていた行徳が頭で押し込んだ。

 一時激しく降っていた雨が収まり、ウズベキスタンが反撃。静岡はミス絡みでピンチを迎えるシーンもあったが、CB山本蒼太(藤枝明誠高)や森脇が食い止めたほか、各選手が出し惜しみせずに走って得点を許さない。前半、シュート数1-6ながらも1-0のスコアで終えた静岡は後半2分、MF岩崎圭吾(沼津U-18)の展開から左のMF寺裏剣(静岡学園高)がドリブルで中へ持ち込んでパス。最後は高橋がDFのマークを外し、右足シュートをゴール右上へ叩き込んだ。

 静岡はウズベキスタンとのパワー勝負を避け、「良いポジションを取って運んでいく」(鈴木啓史監督)を目指し、リードを2点に広げた。だが、ウズベキスタンは「前半は真ん中の方が上手くいかなかった」(ニショノフ・ファルホド監督)ことから選手交代によって修正。7分、ワンツーのこぼれからFWジュラバエフ・マフムド(ナサフ)が左足で決めて1点差に迫る。

 さらに24分には、MFアブドゥラザコフ・ノディルベク(アグエムカ)が右サイドから圧巻の左足FKを決めて同点に追いついた。静岡は3人替えで終盤へ。MF鈴木謙心(沼津U-18)の強度の高い守備や右SB渡辺啓佳(清水ユース)の奪い返しなど、交代組も気持ちの込もったプレーを見せていた。

 そして、39分、静岡は寺裏がドリブルでの仕掛けからラストパス。このクリアに反応したMF森寧樹(富士市立高)が、ダイレクトでのスルーパスを通す。最後は右中間の後藤がターンからの右足シュートを決め、3-2。静岡イレブンが喜びを大爆発させた。

 だが、ウズベキスタンは40+3分、個の力で右サイドを打開。そして、グラウンダーのクロスをMFウスモノフ・ムハッマダリ(パフタコル)が右足ダイレクトで決め、土壇場で3-3とした。試合はそのままPK戦へ突入。再び激しい雨が叩きつける中、静岡は2人目、3人目が連続で失敗してしまう。この後、GK森脇が相手4人目を止めたが、3-4で競り負けた。

 U-18ウズベキスタン代表と渡り合った静岡ユースのメンバーは、“代表予備軍”とも言えるタレントたち。大野監督は「(将来)代表、プロへ行く選手もいると思う。(SBSカップが)そのきっかけになるように」と期待する。次戦はU-18日本代表戦。高橋が「一発やってやろうという思いがある」と語る大一番で勝利し、飛躍へのきっかけにする。

(取材・文 吉田太郎)

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