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[NB CHAMPIONSHIP U-16]予選リーグの大一番は、後半加速の青森山田が興國に3発逆転勝ち!

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青森山田高が逆転勝ち

[9.17 NB CHAMPIONSHIP U-16予選リーグ第1節 青森山田高 3-1 興國高 時之栖うさぎ島G]

 U-16チーム(高校1年生)の強豪32チームが優勝を争う“全国大会級”のフェスティバル、「newbalance CHAMPIONSHIP U-16」(静岡県御殿場市・裾野市)が17日、開幕。予選リーグCブロック第1節で青森山田高(青森)と興國高(大阪)が対戦し、青森山田が3-1で逆転勝ちした。

 昨年度3冠、今年もプレミアリーグEASTで奮闘する青森山田と、プリンスリーグ関西首位の興國。ともに近年、立て続けにJリーガーを輩出している育成チームでもある両校の注目カードを青森山田が制した。

 青森山田は渋滞によって会場入りが試合開始30分前となり、短時間での準備を経てキックオフ。また、普段は1年生チームとしての活動がないことも影響してか、入りが悪く、6分には興國右SB尾形祐輔の右FKのこぼれをMF佐伯天夢に押し込まれ、先制点を許してしまう。
 
 青森山田はすぐにCB小沼蒼殊のロングスローや両翼の突破などから反撃。鋭い抜け出しを連発していたFW三浦陽の落としをMF中島斗武が右足で狙い、また直接FKからシュートを打ち込んでいた一方、ミスでロストする回数も増えてしまっていた。興國は思うようにボールを運べていなかったものの、的羽航人、田中怜の両CBが健闘するなどスピードのある攻守で1-0のまま前半を折り返す。

 だが、青森山田は後半開始からの6人替えでギアチェンジ。指揮を執った上田大貴コーチが「(前半はミスが続いていたため、)しっかりやろうと。間を取って、ボールを取って、切り替え、というウチがやろうとしていることが出るようになった」後半に試合を引っくり返して見せる。

 後半8分、シュートのこぼれに反応したMF増田敢太が左サイドからクロス。これをFW大沢悠真が競りながら1タッチでゴールへ押し込む。さらに、その2分後には三浦が思い切りよく放った右足ミドルが幸運な形でゴールイン。セカンドボールを回収しながら連動した攻撃でチャンスの数を増やし、試合を引っくり返した。一方の興國も勝ち越されたあとから「(間を取った攻撃など)逆転されてから大分良くなりましたね」(中山昇コーチ)という内容へ向上させる。

 チームを勢いづけていた交代出場MF中村迅やMF小笠原啓太がポイントに。サイドから崩しにかかり、大外の選手がフィニッシュへ持ち込む。だが、青森山田は伊藤柊ともに最終ラインを支えた小沼が、相手右SB尾形のシュートをブロック。また、興國FW吉岡大樹の右足シュートがDFに当たってゴール方向へ飛んだが、青森山田はGK嶺翔莉がバックステップを踏んでからのファインセーブでゴールを許さない。

 興國は青森山田の迫力ある攻守に食い下がり、1点差をキープ。25分にも右サイドからの崩しで吉岡が決定機を迎えたが、堅守・青森山田はこのシュートも阻止する。逆に終了間際、青森山田はMF岩舘奏が増田とのワンツーで左サイドを攻略。折り返しを三浦が左足ダイレクトでゴールへ沈めて青森山田が白星発進した。

 青森山田は「newbalance CHAMPIONSHIP U-16」が初開催された16年大会決勝でMF檀崎竜孔(現ブリスベン・ロアー)が決勝点。GK飯田雅浩(現国士舘大、東京V内定)らが守り抜き、初代王者に輝いている。今回の「newbalance CHAMPIONSHIP U-16」の目標は優勝と個人の成長だ。

 上田コーチは「結果が大前提ですが」と前置きした上で、“横一線”という1年生たちが真剣勝負を経験するなかで「一つ一つ成長して欲しい」と期待する。現在Aチームで活動するMF谷川勇獅に続く存在が、MF松木玖生(現FC東京)らも経験した「newbalance CHAMPIONSHIP U-16」から現れるか。

 この日は交代出場組のハードワークも勝因に。チームにエネルギーを加えていた小沼は、「無失点優勝という目標があったけれど(1失点してしまったので)、これ以上失点しないで全勝して圧倒的な差をつけて優勝したい」。青森山田は関東一高との第2節も2-0で制して決勝トーナメント進出決定。決勝まで最大5試合を勝ち抜き、ライバルたち以上の成長を遂げて大会を終える。

(取材・文 吉田太郎)

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