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[MOM4032]市立船橋FW丸山侑吾(3年)_「尊敬される先輩に」なるため、自分は点を獲ること。ドリブラーが苦手のヘッドで同点弾!

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後半45+3分、同点ゴールを決めた市立船橋高FW丸山侑吾(右)がFW郡司璃来と肩を組んで喜ぶ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.9 高円宮杯プレミアリーグEAST第17節 市立船橋 1-1 川崎F U-18 船橋市法典公園(グラスポ) 球技場]

「自分はヘディングしてゴールを決めることが記憶にないくらい、ヘディング弱い選手」という技巧派ドリブラーが、ヘディング弾でチームを救った。0-1の後半45+3分、市立船橋高は右サイドからFW郡司璃来(2年)がロングスローを投げ込む。そのこぼれ球に反応した交代出場FW丸山侑吾(3年=清水エスパルスジュニアユース出身)が、「たまたまコースが見えて、浮いていたので頭で突っ込んで入ったので。奇跡です」というヘディングシュートを決め、1-1に追いついた。

 低い弾道で飛んできたボール。普段ならばボレーシュートで狙っていたかもしれない。だが、「勝手に身体が動いていて」頭で合わせて同点。巧みな身のこなし、的確なコース取りのドリブルが魅力の丸山だが、最近数試合はパフォーマンスが上がらず、気持ち的にも落ちていたという。それでも、切り替えてアタッカーの自分がチームのためにできること、ゴールを目指して立ったピッチで結果を残した。

 この日、先制された直後に投入された丸山は、中央からのドリブル、パスで攻撃にリズムを生み出していた。目前にいたのはともに川崎F U-18から川崎Fトップチームへの昇格を決めているCB松長根悠仁とCB高井幸大(ともに3年)だ。現時点では、体つきの違う彼らと勝負しても当たり負けする可能性大。だからこそ、抜きにかかるのではなく、ドリブルで引き付けることを心掛けていた。丸山は「(彼らを突破するためには)技術はまだまだつける必要があるし、全部が必要ですね」と語る。それでも、今できるプレーで反撃を加速させ、ゴールで後輩や、家族を喜ばせた。

「ここまで郡司とか太田(隼剛)とか2年生に支えられているのがあって、正直、私生活も2年生の方がしっかりしているというのがある。2年生から尊敬される先輩になりたいので、プレミアに残ったり、たとえ残れなかったとしても『良い先輩だった』と言われるように頑張りたい」と丸山。この日のゴールについては、「(後輩も)『本当に凄い』と言ってくれて、自分は点獲ることが一番大事なのかなと改めて感じました」。だからこそ、今後もゴールを連発し、チームを勝たせて、3年生の意地も見せる。

 この日は勝ち点1をもぎ取ったが、残留争いではまだまだ苦しい状況が続いている。丸山は「絶対に活躍したいですし、家族を喜ばせたい。(家族は)きょうも見に来てくれていて、自分が出ていないと気持ちが下がっちゃうくらい自分に対して気持ち強く応援してくれている親なので、きょうは点を獲れて良かった」。やや失いかけていた自信も取り戻すゴール。この1点をきっかけに、プレミアリーグ、選手権で目に見えるような活躍を続ける。


(取材・文 吉田太郎)
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