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[MOM4213]東山MF沖村大也(1年)_誰よりもファイトしたボランチ、国立を意識した声も

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東山高MF沖村大也(1年=アサンプション国際中出身)は泥臭い守備と声でチームを支えた

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.5 京都府高校新人大会決勝 東山高 1-1(PK5-3)京都共栄高 たけびしスタジアム]

 我慢の時間を強いられた後半に幾度もセカンドボールを回収。人一倍勝利とボールへの執念を見せていた1年生は、こぼれ球に頭から突っ込んで触ろうとしたほか、延長戦では敵陣でクリアをブロックして味方のチャンスに繋げるようなシーンもあった。

 東山高の福重良一監督も、「一番良かったと思います。中盤でボールを拾えたし、回収できていたし、運動量落ちずに(延長戦の)最後まで90分間できたし。彼なんか選手権のメンバーに入っていないけれど、その中で一番良いパフォーマンスだった」と称賛する90分間だった。

 MF沖村大也(1年=アサンプション国際中出身)は、ダブルボランチの一角として先発。これまでは、「自分の調子があまりよくなくてチームに迷惑をかけてしまっていた」というが、この日は強みの球際で奮闘した。

「ファイトするところが自分の特長でもあるので、それでチームを鼓舞できるのであれば」と競り合いに怯むことなく飛び込んでマイボールに変え、前線にボールを蹴り入れ、左サイドからロングスローを連発していた。

 プレーとともに光ったのが声だ。上級生たち以上とも言える声でチームを引き締め、鼓舞。「福重先生がいつも『国立で5万人だったら声も響かない』と仰ってくれていたので、それを意識して声を出しています」。疲れを心配してしまうほど声を発していたが、「それが自分の特長にもなるので」と全く意に介さない。SHでスピードを発揮できるプレーヤーでもある沖村はこの日、MF古川清一朗(1年)とのダブルボランチで勝利に大きく貢献した。

 だが、ボールを収める部分も、守備も、“次元が違う”先輩たちと比べるとまだまだだ。「去年の先輩の(ボランチを務めた真田)蓮司君や(松橋)啓太君がもっとセカンドボールを拾って、もっと収められる選手なので、もっと練習して、もっと頑張りたい。紅白戦いっぱいやらせてもらったけれど、(2人は)次元が違うので、追いつけるように頑張っていきたい」。アサンプション国際中時代に全国中学校大会優秀選手。東山では昨夏のインターハイで登録メンバー入りしたが、ハードワークする部分が足りずに選手権メンバーから外れた。

 それでも、決勝でも見せた献身性な動きをどの試合でも継続し、課題を改善できれば、新チームで欠かせない選手になる可能性も十分。「(得意の球際なども)近畿大会になればもっと相手も強くなるのでもっと磨いていきたい」。意欲的な1年生が23年東山の柱へ進化する。

(取材・文 吉田太郎)

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