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[MOM4226]神村学園FW名和田我空(1年)_“名和田ゾーン”からスーパーゴール。2発で決定力の違い示す

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後半4分、神村学園高FW名和田我空(1年=神村学園中出身)が勝ち越しゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.11 ECLOGA1回戦 静岡学園高 3-4 神村学園高 J-GREEN堺]

 完璧なパフォーマンスだった訳では無い。それでも、神村学園高の有村圭一郎監督は「前のところでクオリティーを出せた。前にいたら嫌ですよね。今日はちょっと違いを見せる場面がありましたね」と頷き、静岡学園高の川口修監督も“スーパー”な1点目、こぼれをしっかりと合わせて2点目を決めた相手エースについて、「決める力がある。あれは世界で絶対に必要。あれは個の力。(このような試合で)あれをできるか、できないか。(静岡学園の選手にとっても)刺激になったと思う」と評していた。

 ともに技術力が高く、個性的な選手が多い注目対決で、神村学園のFW名和田我空(1年=神村学園中出身、22年U-16日本代表)が一際輝いた。1-1の後半4分、左中間から仕掛けのドリブル。正面に相手CBが構え、さらに両サイドから相手SB、MFが挟み込みに来ていたが、2人の間を抜けると、切り返して中へ持ち込む。そして、CBを抜き切る前に右足シュート。U-18日本代表候補GK中村圭佑(2年)も反応できないようなコースへ見事に決めた。

「相手の位置も顔が上がって見えていたので、内へかわして、相手が足出せないタイミングでファーに巻こうとイメージしていたので、イメージ通りのゴールでした。あの角度は自分が一番と言われるくらいの角度だと思っているし、本当に最近トレーニングでもあの角度は何度も練習していたのでその成果が出たと思います。“名和田ゾーン”と言われるようにしたい」と微笑んだ。

“名和田ゾーン”からスーパーゴールを決めたFWは、3分後にもゴールを奪う。FW西丸道人(2年)がクロスバー直撃のシュート。跳ね返りにいち早く反応した14番はしっかりと合わせてゴールへ流し込んだ。この日は前任の14番でC大阪へ進んだMF大迫塁が後輩たちの応援に駆けつけていたが、その前で名和田が2得点を叩き出した。

 決定力、また狭い局面でのスキルの高さなど随所で違いを示すプレー。「ああいうのを求められますし、もっと奪われないようにするとか、自分のところでボールロストがたくさんあったのでそういう部分ではもっともっと違いを見せていかないといけない。個人的にはまだまだ足りないと思っている」。通れば決定機というパスを通せなかったシーンもあり、本人は不満げ。より成長することを誓っていた。

 今年は神村学園にとって特別な番号「14」を背負う1年であり、U-17日本代表としてアジア、世界と勝負する1年でもある。「この1年というのは自分のこれまでのサッカー人生をぶつける1年だと思うので、(ともに予選を勝ち抜けば)ワールドカップだったりというのもありますし、14番背負って選手権にも出れる。そういう部分では大事な1年だと思います」。この日違いを示した決定力に加え、ドリブル、パス、オフ・ザ・ボールも「見て欲しい」という部分。さらに積み上げ、大舞台でその実力を見せつける。
 
(取材・文 吉田太郎)

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