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[船橋招待]「見てもらうためにも勝つ、挑戦権をもらう」。MF岡本敬大は広島皆実の中心選手として戦い、決めて、勝利へ導く

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広島皆実高の注目アタッカー、MF岡本敬大(新3年=廿日市アカデミーU15出身)が右足を振り抜く

[3.26 船橋招待U-18大会 前橋育英高 0-0 広島皆実高 タカスポ]

 第28回船橋招待U-18サッカー大会(千葉)最終日の26日、広島皆実高(広島)は前橋育英高(群馬)と対戦し、0-0で引き分けた。

 インターハイ、選手権で日本一に輝いた歴史を持つ広島皆実は、雨中で昨年のインターハイ王者・前橋育英に渡り合って見せた。キープ力、ラストパス、シュートの光るエースMF岡本敬大(新3年=廿日市アカデミーU15出身)を中心に、突破力とキック精度が特長の左WB金城晴空(新3年)や鋭い抜け出しのFW木村俊太(新3年)がチャンスを作り出そうとする。

 また、中盤、最終ラインもDF金山颯汰(新3年)やMF渡部琉(新3年)を中心に安定。186cmGK沖野嘉紘(新3年)も雨中の難しいコンディションの中で大きなミスをすることなく、50分間を無失点で終えた。

 広島皆実は今年、新人戦3回戦で広島観音高に苦杯。岡本は「新人戦はヌルい形で負けてしまって自分たちも気持ち的にも落ちこむところがあったんですけれども、前向きにどう修正してインターハイに繋げるかと改善してみんな頑張ろうとなりました」と振り返る。

 船橋招待では仙台ユース(宮城)との初戦を3-1で勝利すると、続く静岡学園高(静岡)戦も0-0ドロー。だが、その後は守備陣の頑張りにアタッカー陣が応えることができず、2分2敗で大会を終えた。それでも、前橋育英戦はボールを保持しながら攻め切る回数を増やし、東京Vユース(東京)との最終戦では岡本がヘディング弾。岡本は「疲れている中でのパフォーマンス」「ミスと決定力が課題」と指摘したが、前向きな戦いだった。

 広島皆実は近年の選手権全国大会で強敵との対戦が続き、なかなか勝ち上がることができていない。今冬も全国初戦で青森山田高(青森)に0-1で惜敗した。岡本は「全国1勝ももちろんなんですけれども、全国で1勝するだけじゃ意味がないと思っているので、サッカーやる以上、優勝目指してやらないといけないと思っている。高みを目指しながら、その結果、何かをなし得ると思うので、向上心を持ってやっていきたい」と力を込める。1年時から活躍するエースは、そのチームを引っ張る意気込みだ。

「(自分の)現在地は普通の選手。自分がチームの中心になってやらないといけないと分かっているので、自分で責任感を持ってやるべき仕事を全うして、ゴールを決めないといけないので、まだまだです。決めて、チームを楽にして、自分が勝利に導くくらいの気持ちでやらないといけないと思いました」

 力強いボールキープと得点力、ゴール前のアイディアも魅力。「(武器とするプレーは)やって当たり前。人にじゃなくて自分にベクトルを向けていかないといけないんですけれども、試合中に熱くなってしまうところは直さないといけない」と微笑むアタッカーは、チームメートとともに勝利し、多くの人に見てもらうステージへ立つことを目指している。

「勝利も大事なんですけれども、(チーム、個人が多くの人に)見てもらうためにも勝つ、(上のステージに立つための)挑戦権をもらう、という意味でも頑張って、最後やるのは自分なのでプレーを見せれて行ければ良いと思います」。理想はFWロベルト・レワンドフスキのようにゴールを決め続け、FWリオネル・メッシのように「何かを起こす」という空気感を持った選手。23年は活躍を続け、将来に繋がる1年にする。

(取材・文 吉田太郎)

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