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[船橋招待]静岡学園に新たな注目CB。新2年生のDF矢澤怜士はプレミアで活躍し、代表入りで「恩返ししたい」

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静岡学園高のCB矢澤怜士(新2年=大阪東淀川FC)は経験を重ねて飛躍へ

[3.25 船橋招待U-18大会 市立船橋高 1-0 静岡学園高 グラスポ]

 ブレイク候補の新2年生CBが活躍を続け、恩返しする。静岡学園高(静岡)のCB矢澤怜士(新2年=大阪東淀川FC)は、第28回船橋招待U-18サッカー大会(千葉)で関係者たちから評価されていた一人。25日の市立船橋高戦では雨で水たまりのできたピッチでのプレーだったが、中盤の選手へつける配球の良さが光っていた。加えて、積極的なサイドチェンジ。「サッカーは楽しいので。キックフェイントとか魅せたいですね」という矢澤は後半、切り返し一発で相手のプレッシングを難なく剥がして見せるなど、雨中で技術力の高さを発揮していた。

 大阪東淀川FCでは中学2年生までボランチ。3年生からCBを務めている。大阪東淀川FCはウォーミングアップからドリブル、リフティング、対人……磨かれた技術力を土台にヘディングなどを意識的に強化してきた。

 課題だった守備も明らかに成長してきている。「練習とかでもみんな強度高くやっているし、ちょっとずつその成果が出てきているかなと思います」。3月のフェスティバル、エクロガ(大阪)では神村学園高相手に4失点したものの、年代別日本代表や高校選抜の選手たちの仕掛けを守備範囲広く、個でもストップしていたことが印象的だった。

 この日も市立船橋高の注目エースFW郡司璃来(新3年)に苦戦したことは確かだが、浮き球パスをカットしたり、前へ出てインターセプトするなど守備面で健闘していた。ミスが起きても試合中は引きずらずに終わってから反省し、改善。川口修監督は「すごく成長している。一番伸びている時期かな」と語り、経験を重ね、身体が出来てくる今後への期待感を口にした。

 本人も意識変化。「1年間、早かったです。でも、自分の中で成長を感じているので静学来て良かった。最初の方は(試合で)緊張していて、練習とかでもみんなに迷惑とか掛けていたんですけれども、だんだん調子も上がってきて先輩に引っ張ってもらうんじゃなくて、自分が引っ張るくらいの気持ちに変わりました」。目指すは2学年上の先輩CB行徳瑛(現名古屋)超えだ。

「近い存在で言えば行徳君が凄いと思いました。練習でも見てきていたし、落ち着きが凄いなと思って。越えていけるように。行徳君みたいな足元もあって守備も強い、全部の平均を上げられるようにしたいです」。アジリティの部分や守備対応などまだまだ課題もあるものの、登録183cmの長身で50m走も6秒4とスピードもある方。セットプレーでゴールを連発し、失点を阻止するような守備を見せていた行徳の壁は高いが、努力を重ねてその背中に追いつく。

 大阪東淀川FCの先輩でもあるFW神田奏真(新3年)が1年時にU-16日本代表候補選出。現在はU-18日本代表候補にも選ばれている。「(先輩の神田が)代表入ったりして、(大阪東淀川の)監督も代表の報告聞いて喜んでいたし、自分も代表入って喜ばせたい。代表に入って活躍できたら。中学のコーチや高校のコーチに恩返ししたいので代表に入れたら良いと思っています」。開幕間近のプレミアリーグWESTでスカウト、代表スタッフの前で活躍し、勝利に貢献すること。そして、恩師たちに吉報を届ける。

(取材・文 吉田太郎)

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